質問 西岡未央さんから 沢 大洋さんへ

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前回インタビューさせて頂いた、西岡未央さんから質問を頂いて来ております。「学生劇団が熱いと思う理由は何ですか?」
沢  
なんでしょうね。やっぱり、訳の分からないものが飛び出してくる感じ。その時の感情とかが一瞬現れて作品になる。そういう瞬間が好きですね。

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退屈な時代の歩き方

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いつか、どんな演劇を作りたいですか?
大崎 
お客さんが劇場出たあともしばらく退屈しないような、、、普段の生活が面白くなってしまうぐらい。一年くらい前に、「暇と退屈の倫理学」という、國分功一郎さんという哲学者の方が書いた本を読んでそれがすごく面白かったんですけど。人はいかにして退屈とつきあっていくのかを考えてみるという。
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暇を有意義に過ごす方法という事でしょうか?
大崎 
その本には解決策は書いてないんです。それぞれ全てのケースが個別で特殊な問題だから、答えなんて出しようがない。でも、退屈ってのはなかなか恐ろしいものだという仮説があって。僕の芝居に出てくる人々は基本的に退屈しているんですよね。その退屈からどう抜け出していいか分からない。退屈な生活が普通の状態だと思いこんで生きている人たち。でももっと楽しく生きられるような状況が作れるんじゃないか。自分の力だけじゃなく、他人の力も借りたりして。見方をちょっと変えるだけで人生を楽しく生きられるかもしれない。楽しく退屈さと付き合う方法があるはずだ。そこに対しては、まだまだ掘り下げたいと思ってます。ヨーロッパ企画さんも、そういうところを見ているんじゃないかなって、作品見ると思ったりします。
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なるほど。
大崎 
パッと見騒いでいるだけのように見えて、その先の希望を見据えているんじゃないか。その上で舞台上でシュールな事が起きても「なんかいいな」ってなっちゃいますね。
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大崎さんにとっては、人生を楽しく生きる事がテーマなんですか。
大崎 
そうですね。それが、逞しく生きていく事なんじゃないかと思います。もののけ姫で、「曇りなき眼で見据えて生きよ」って台詞があるんですけど、なんか心に留まってますね。なかなか自由に生きてくってのは難しくて。ものを見るときにバイアスが掛かったり、思考がどうしても自分を慰める方向に向かったり。それを振り切って楽しくね。
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自分は捉われていると自覚する。
大崎 
なるべく忘れないようにしたいですねえ。ちゃんと物事を見ようってのは、大人にだなという事でもあるし、子供だなという事でもあるんです。それは、「オール」で書きながらも考えてました。
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実存的な、リアルな生き方。それは確かに逞しい生き方ですね。ただ、人によってはマッチョな考え方だととられるかもしれない。
大崎 
いやあ、楽しく生きていくってのはどこかしらマッチョなんじゃないかなあ。言い方変えれば、楽しく生きることとか、自分の好きなことにたいしてマッチョな人はほんとにイキイキしてると思うし、僕はそういう人を素敵だと思う。子供って遊ぶことに対してマッチョだと思いますし。ただ、こだわりというか好き嫌いというか、善悪というか、意志をはっきりすると損することもあるのが世間ですから。こだわりを持ったまま楽しい方向にするっと抜けれるのが逆にストイックでいいんじゃないですか。マッチョマッチョ言ってますね。マッチョってなんでしたっけ?
ヨーロッパ企画
98年、同志社大学演劇サークル「同志社小劇場」内において上田、諏訪、永野によりユニット結成。00年、独立。「劇団」の枠にとらわれない活動方針で、京都を拠点に全国でフットワーク軽く活動中。(公式サイトより)

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脱臼/村のアホウ者

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風営法について。東京都の条例で、夜12時以降のクラブで客のダンスが違反になりましたね。その他にもタバコや風俗など、社会から遊びの部分がどんどん排除されていく、とてもヒステリックな世の中だと考えておりまして。それは公的な機関による圧力から、次は民意―大衆の暴力に移行していくだろうと。当然、表現の方にもそうした圧は及んでいくと危ぶんでいるのですが、宮階さんはどう思われますか?
宮階 
絶対良くないと思います。だってそれは、いまいる者を殺していく事でしょう。人殺しとほぼ一緒なんですよ。
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そうですね。
宮階 
何によっての殺人かというと、動機は嫉妬、そして寂しさだと思っているんです。
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寂しさ?
宮階 
例えば、今晩は大阪のヘイトスピーチのカウンターデモに行ったんですが、彼らは誰一人として強そうな人はいなかったんです。てっきり、怖そうな人がオラオラ叫んでいるかと思っていたら、なんかショボショボっとした人ばかりで。拡声器があるからようやく大きな声で「死ね」と言える。外に出てきたネトウヨを見ていて、なんか怒るというよりは、哀れだと思ったんです。彼らも、本当はしんどいんじゃないかと。そのしんどさの理由は韓国人や中国人や在日等の存在なんかじゃなくて、彼らの主張が「違うよ」と言ってもらえる人間関係がない事なんじゃないか。それはとても寂しい事で。親でも兄弟でも友達でも。
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本当に宮階さんにお話を聞けて良かった。
宮階 
いえいえ(笑う)
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私も少し前までネトウヨが嫌いだったんですよ。一見、頭ごなしのバカなポジショントークのように見えて、実は幼稚な感情論が底にあるところが。でもそれって、カウンターデモ側にも同じ状況があるんじゃないか?ネトウヨを攻撃する事で得られる達成感は、ネトウヨのそれとどう違うんだ?と。
宮階 
カウンターが発する罵声というのは、声の大きさや言葉にもよりますが、暴力性とはまた文脈も意味合いも違うと私は思っています。でも、私は個人的に怒鳴ったりは出来ないんですね。私はヘイトスピーチ側にもカウンター側にも、もちろん意思はカウンターですが、存在としては離れ小島や、村のアホウ者でいたいと思っています。
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離れ小島。
宮階 
ヘイトの中にいるけれども「もう嫌だ、ここから出たい」と思ったら、意固地にならずに逃げていいと揺らいでいいと思える例として。そんな離れ小島。現場では、ヘイトとカウンターは対立する形で離れているんですね。間に警察がいて、カウンター側を睨んでいる。どちらも怒鳴っている。
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ヘイト側もカウンター側も、どちらも相手を倒すために来ている訳ですからね。お互いを人間だと思えないぐらいの勢いで。
宮階 
私はそこで奇襲作戦を取るんですよたまに。
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おお。それは。
宮階 
ある時のヘイトスピーチの現場では、人が沢山いるなかで、生け垣だけ誰もいない。そこで2リットルの水を撒いて水を差すというパフォーマンスをやったら警察に引きずり降ろされそうになって、すぐ引き上げました。大阪では、ヘイトスピーチ側では彼らの子供が壁になってたんですよ。サッカーのフリーキックみたいに。そんなの、もの凄く悲惨でしょう。私は怒鳴っている人たちの間で、ずっと道に迷ったフリをしていました。電話しているフリをしながら。みんな、ポカーンとして見ていて。
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なるほど。
宮階 
私は脱臼させに行くんです。今日も大阪でやってきました。ヘイトスピーチ側が拍手して盛り上がっている時に風船を割ったんです。パーンって。警察に「ビックリするやろ」って言われて、「出て行けとか言われた在日の人たちの気持ち考えた事あんの?びっくりどころやないでしょう?」って言ったら「まあ、まあ」って。
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なんかいいですね。というか、「水を差す」ところから回を重ねる毎に面白くなっていっていますね。
宮階 
遊び場なんです、私にとっては。乱暴に言ってしまうと。差別のような醜悪なものに、どの生命も削らせたくない。私にとっての怒りの変換です。有効な電波障害をしようと。
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というより、そうなるべきなんです。あんなバカバカしい場だからこそ芸能が何かの役割を持ちうるでしょうね。
宮階 
彼らヘイトスピーチが掲げているスローガンは醜悪で、聞くに耐えない。当事者に矢面に立たせたくない。ばかばかしさをもってヘイト側に反射したるねん、て思います。出来るかわからないですけど。

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vol.333 gay makimaki

カウパー団。

2014/春
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gay

京都ロマンポップ さかあがりハリケーンvol.7「ニホンノカビ」

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さて、京都ロマンポップ「ニホンノカビ」お疲れさまでした。大変面白かったです。
玉一 
ありがとうございます。
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まずは、とにかく俳優が魅力的でしたね。玉一さんはもちろん、肥後橋さん、高田会計さんと、一言で言うなら大変奇妙な熱演だったと思うんです。目に焼き付いています。
玉一 
いえいえ。今回は本当に、各自が生きる役割を与えられたなあと思います。演出からの要求はすごく難しくて、それでも、みんなが応えていけたんじゃないかなと。
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魅力的でしたね。高田会計さんが良かったですね。オルテガが何度もキャラ変するのが凄かったですね。最初はクズだったのが、結婚すると別人のように落ち着いたりとか。それが戦場に戻るとやっぱり凄絶な戦士になって。
玉一 
そうですね。今回の作品を通して、改めて、いいメンバー達とやってるなあと思ったんですよね。これまではなかなかうまくコミュニケーションを取れなかったりしたんですが、福岡のコメディフェスティバルから京都での公演とずっとやってきて、ここにきて漸くお互いの特性が分かったような気がするんです。
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なるほど、作品全体のまとまりの良さの正体はそれなのですね。俳優がとても良いと先ほど申し上げたんですけど、それはつまり舞台の時間においての生き方で、ここからここまで行ったら良くないとか、そういうタイミングと加減がいちいちセンスが良いんですよね。安心して見ていられる前衛劇というか。肥後橋さんはそれが超良くて、ぞわぞわかき立てられながら見ていました。その根底に、役者同士の雰囲気の良さがあったのかな。ちょっと納得しました。
玉一 
そうですね、そこを見せるためには。
京都ロマンポップさかあがりハリケーンvol.7「ニホンノカビ」
公演時期:2013/9/21~23(福岡)、2013/11/22(京都)。会場:H732シアター(福岡)、UrBANGUILD(京都)。
国際コメディ演劇フェスティバル
公演時期:2013/9/14~10/6。会場:H732シアター。

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EPOCH MAN〈エポックマン〉

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EPOCH MAN〈エポックマン〉。どんな作品を作られるのでしょうか。
小沢 
まだ一回しか公演をやっていないのですが、前回のは70分から80分の作品で、女性4人の芝居と、男女の二人芝居の二つの短編をくっつけた作品でした。僕自身が好きなのは、人の醜い部分だったりするんですね。女性の嫉妬心や執着心などのドロドロした部分。それが笑いになってしまいながら、心が痛くなるような。リアリティは大切につくるのですが、ひとりの役者がコロコロと役を変えたりと、基本的には生の演劇ならではのものは目指しています。自分自身が、何だかんだエンターテイメントが好きなので。
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面白そうですね。拝見したいです。
小沢 
ただの、リアルな生活を見せるようなお芝居はあまり好きじゃないんですね。視覚的にも楽しみたいし、音楽も大切にしています。ただ、まだはっきりとは、こういう作風です、こういう色です、というのは見つけていないのでこれから探していこうといろいろ挑戦していきます。
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彫刻で言うと、石の中から人物を取り出せていない感じ。
小沢 
まさにそうですね。その状態を楽しんではいるんですけど。映像も好きだし、落語も絵本も歌とかにも興味があるんですよね、最近。もしかしたら、毎回観にくる度に全く違う雰囲気の演劇になってるかもしれません(笑)とにかく今は、来年2月の公演に向けて次回作を書いています。
EPOCH MAN
虚構の劇団に所属する小沢道成が2013年より始める演劇プロジェクト。俳優として活動をしながら、劇団の自主企画公演で発表した数本の作品が好評を得る。人(特に女性の心の中をえぐり出すような作風と、繊細かつ粘り気がありながらスピード感ある演出が特徴のひとつ。問題を抱えた人物が前進しようとした時に生まれる障害や苦悩を丁寧に描きつつも、演劇ならではの手法で会場を笑いに誘う。(公式サイトより)

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外へ

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そもそも、木皮さんが表現を始めたのはどういう経緯があるのでしょうか。
木皮 
それはですね、僕、中高とひきこもりだったんですよ。ひきこもりを辞めようと、まずは大学入学から始めました。僕の出身は電車が2時間に1本しか来ない田舎なんですが、その時、映画「ウォーターボーイズ」のように全員で一致団結するみたいなのに憧れていて。その思いが昇華出来そうなのは美大なんじゃないかなと。それで多摩美大造形表現学科映像演劇学科に入学しました。最初は、映画を撮ってたんですよ。
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なるほど。
木皮 
8mmフィルムを使った撮影技術を教えてくれるんですけど、ちょっとこれは「ウォーターボーイズ」とは違うなと思って、途中で演劇にコースを変えました。
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そこで演劇に出会ったんですね。最初の授業はいかがでしたか?
木皮 
何を思ったのか、演出をやりたいと言ってしまって。何も知らないのに。脚本は、清水邦夫さんの「朝に死す」という二人芝居。ものを作った事がない18歳だったので手探りだったんですけど、出来上がったものが目の前にあるという衝撃がありましたね。最初に演出をやって、その感覚を持てたのは大きいですね。新鮮でした。

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vol.320 木皮 成

フリー・その他。

2013/春
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木皮