こころをほどくとき

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去年の「君の名は」の大阪公演。場所は大阪城公園でしたね。とても面白かったですが、後半の方はものすごくおどろおどろしくて疲れてしまったんです。特に、2Bさんの悶々としたダンスが凄くどんよりとしていて。一見ポップなのに、ネガティブな表現もあるんだな、と。もしかしたら、旅をする人だから受け入れられたいという願いと同時に受け入れる事にも強い。その姿勢がきっと作品の作り方とも結びついているんじゃないか。そういう姿勢があるから、ネガティブな表現にも通じていくのかなと思う。そこで伺いたいんですが、お客さんにどう思ってもらいたいというのはありますか?
五月 
どう思ってもらいたいというのはないですね。色んな人がいるから、やっぱりキツい世の中だから、何となく気持ちが固くなって身体も固くなって、周囲に遠慮したり気を使ったり、それで自分がイヤになったり、遂にキレてしまったり。まあ何か、どくんごの芝居に来て、笑ったり空を見たり、下らないなあと思って呆れたり、可愛い小道具を見て和んでもらったり。色んな気持ちになって、感情を起こして、気持ちが柔らかくなるといいな、自由になるといいなあと。そう思います。だから色んなタイプの表現を挿入していると思います。だけど、基本的には「ひっどい世の中だなあ」という(笑う)、基本的には、私の芝居の世界は暗いんですけれども。でも、暗いでしょうと言ってもしょうがないですけどね。
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気持ちをほぐす。揺さぶっているんですね。では、自分の芝居をやる上で、総合的に心がけている事はありますか?ちゃあくんさんからお願いします。
ちゃあ 
いやあ難しいなあ、僕は芝居も初めてなので。基本的な事ですけど、ちゃんとセリフを言えて、僕だけの独りよがりにならない、お客さんを置いていかないで、イメージを伝えられるようにしたいです。
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難しいですよね、「ひとりよがりにならない事」。
2B 
まあ、自分がやりたいシーンを作ってやっているので・・・僕は、「どうすか?」って姿勢でいます。見る人によって色々だと思うんですけど、色々考えてもらえたらいいというか。去年のダンスも、ネガティブに捉える人もいれば、笑ってくれる子供もいるし。舞台でやっている事を使って、考えてもらうという部分があるんです。
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ああ、エンターテイメントとして終始するだけじゃなくて、深い部分にまで考えが突入していくような、そんな感じ。
2B 
考え事をしてもらえれば。そういう風になるには舞台上の僕とか作品が上演は強さがなければならないと思うし、そういう風にやっていけたら嬉しいと思います。
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ありがとうございます。高田さんは。
高田 
あえて決めてしまわないようにしてるかもしれません。大声を出そうとすると、「自分は大声を出すのが得意じゃないか」ってキャラを決めてしまって、その場でがんじがらめになってしまって。それはあえて決めないで、探していこうと思います。つまりは柔軟に対応しようという事だと思います。
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その場その場での判断。そこで集中していられたらいいですよね。
高田 
そうですね、その為に体とかのケアはしないといけないな。
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ケア出来ていますか?
高田 
どうですかね。一応、体調を落とさないようにはしています。
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石田さんはいかがでしょうか?
石田 
五月さんが言ったみたいな、色々な感情があるみたいなのが凄く好きで。私は健康優良児なのでそれを生かしていこうと。テントで後ろが開けていって、大きく大きく見せられるように。器用じゃないから大きく大きくしていこうと思います。
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なるほど。石田さんを早く見たいです。根本くんは。
根本 
僕はまあ、扉を開いていこうと思います。切り込み隊長だとこの間言われて。そういうポジションにいるのかなと思います。お客さんの中に入って新しいスペースを作って。ぐわって上げて、そこにさらに他の人達が乗っかって。
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扉が開く!
根本 
開ける!後は任せた、みたいな(笑う)。まあそんな事が出来たらいいなと思ってます。
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開く。それがキーワードな気はしますね。今回、根本くんは脚本ですね。これまでのどくんご公演は、役者の方々が作ってきた一人芝居・二人芝居を構成した作品だったと思うんですが・・・
根本 
今回も作り方としては一緒です。役者一人ひとりが作ってきたものを出すんだけど、僕が書いてきた脚本があって。今回はSFという設定で書いたんだけど、そこを各自が勝手に拾ったり、自分のアレンジでやったりとか、その繰り返しでやったり、原型が無くなっていったりとか。最終的にはどくんごの芝居という形になりますね。
劇団公演第27番・The Naked Dog Tour 13 『君の名は』
公演時期:2013年5月~11月。会場:日本全国各地。

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サービス精神を持とう

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これは仮説なんですけど、玉一さんは観客を味方にするタイプの役者なんじゃないかなと思うんですよ。そういう役者はいると思っていて。玉一さんは、お客さんに対して、何か思ったりする事はありますか?
玉一 
そうですね、悪い気持ちとかは抱かないですね。そもそもお芝居って、楽しんで何かを得ていただく場だと思っているので。お客さんがいないと成り立たないのが演劇だと思います。サービス業についているのですが私はサービス精神だけはあると思っていて、奉仕してナンボだと思うんですよ。演劇も楽しませてナンボだと思っています。基本的には、どんなお話をやっていたとしてもお客さんに対してウェルカムである事は間違いないです。感謝しかないですからね。時間を作って、お金を払って来てくださっている訳ですから、もう感謝しかないですね。
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そのサービス精神が現れていないチラシがね。
玉一 
そうなんですよね~(笑う)私、白塗り大好きなんです。いい写真が撮れたと思います。お店に貼ってもらったりしたんですが、後日伺うとトイレの壁とかに貼ってあるんですよ。これ、知らずにトイレ使ったお客さん怖いかなあと。
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「ニホンノカビ」非白塗りバージョンは見てみたいですけどね。
玉一 
あー、それは逆に、白塗りによって支えられているところもあるんですよね。私達の中で仮面に近いものがあるので、あれを外されるとこっちの心が折れるかもしれない。
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白塗り、必要ですね。
玉一 
でもそればかりやってたら他のお仕事も来なくなっちゃうかなあ。

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ロボビー、再起動!

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私が見た回は何の破綻も無かったけどなあ。
山本 
いや、結構な回数止まってるよ。どこかしらはあった筈。一回止まっちゃったら、一回再起動を掛けるのよね。
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ええ!
山本 
上手の幕にオペレーターさんがいるんだけど、そこから再起動を遠隔で指示するとガクンってロボビーが首を倒して白目になんねん。
__ 
ええ!
山本 
で、1分くらいすると次のプログラムにいくんだけど、その1分のフリーズを役者がつなぐねん。その間のロボビーの死んでる顔を見て欲しかった。本当に怖いから。確実に機械音がするから。いやあ、まだまだ色んな事があるやろうね。でも格段に性能が上がったらしいで。海外で公演した時に舞台から落ちたり、関節が故障したり、異音を発したり。出てこないとか喋らないとかは可愛いもので。
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出てこないとかあるんですか。
山本 
今回も一度、ラストシーンで下手の幕にハケず、ずっとそのままだったとかありましたね。
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そういう裏話とかでもう、ひとつのエンターテイメントだなあ。今回の作品に参加して、何を学ばれましたか?
山本 
結局のところ、ライブやなあ、と。ロボットのプログラムを完璧に組んでも、止まった時は生きている役者がどうにかしないといけない訳やから。それを逆に認識しなおした。何回も止められたけど、その分、役者の力を。
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今回の作品、純粋な意味では平田オリザ作品だったじゃないですか。分かりやすいセリフなのはもちろん、物凄く深くまで想像が入っていってくれるような。
山本 
うん。

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ハア?

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男肉の舞台はまるでテーマパークのアトラクションのようで、たとえば主人公達とインターネットの世界を旅したり、タイムスリップしたりする。お芝居を見たことのない人に見てもらいたい気はしますね。
江坂 
「ハア?」って言われるのが一番いいとよく言ってますけどね。
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呆れられるぐらいのね。でも、どこかから借りてきた芝居よりかは全然いいんじゃないかなと思うんですけどね。自分達で発見していない価値観で作ったモノなんて、すぐ分かりますから。
江坂 
ネタとして、わざとニセモノを見せるという事もありますけどね。
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とはいえ、偉そうな言い方ですが、昔そうだった劇団が5年ほど経って非常に良い演技をするという事もあります。劇団が成長するのはいいですね。
江坂 
そうじゃなければやってる意味、無いですからね。

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バナナ学園純情乙女組「おはぎライブ」

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今日はどうぞ、宜しくお願い致します。赤坂L@Nのイベント、劇団福耳presents『第六回 赤坂炎上』でのパフォーマンス、お疲れ様でした。面白かったです。
二階堂 
ありがとうございます。
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私が見たのは、30分ずっと、最初からトップスピードでアイドル曲やゲーム音楽のメドレーを絶え間なく踊り続けるというものでした。文字通り息を吐かせない、曲と曲との間がほとんどない中踊り続けるという。非常に現代的なパフォーマンスだと感じました。
二階堂 
おはぎライブは、そうですね、私が凄く飽きっぽいので、お客さんを飽きさせないためには同時多発テロしかないだろうと。
___ 
おはぎライブ?
二階堂 
あ、あのパフォーマンスの事です。特に意味はないんですけど、「おはぎライブ!」って思いついてそのまま決まりました。バナナ学園のレギュラーパフォーマンスですね。いつもは芝居の後にやるんですけど。
___ 
素晴らしい。皆ポカーンとしてましたね。
二階堂 
あ、良かった。狙い通りです。
バナナ学園純情乙女組
二階堂瞳子を中心とする”永遠に卒業出来ないスクールガール調”を大義名分に挙げ、いつまでもセーラー服を脱ぎたがらない女子や男子の集合体。脚本担当は中屋敷法仁。中屋敷法仁が不真面目・不道徳に書いた脚本に対し、二階堂瞳子の間違いだらけの不適切・不衛生な演出が加わった時、現代の科学では到底解明出来ない亜空間が観客の前に現れる。(公式サイトより)
劇団福耳presents「第六回 赤坂炎上」
開催時期;2009年9月18日。会場:L@N AKASAKA。ライブ、インプロ、コント、演劇など、いわゆるショーケースとして楽しめるイベント。

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呆 然 ! お は ぎ ラ イ ブ

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さて、改めて今回の赤坂L@Nのパフォーマンスについて。非常にエッジの効いた表現だったと思いました。皆唖然としていましたね。
二階堂 
唖然とされるのが狙いなので、手拍子とか頂くと申し訳なくなるんです。
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意図的に呆れさせるって珍しいなと。
二階堂 
もの凄く盛り上がる人もいるし、物理的に塞ぐ人もいますね。一度、目と耳を塞いじゃったお客さんがいて、舞台に引きずり出そうとした事もあって。
___ 
ええ?それは凄いな。
二階堂 
客席に行った事もあるし、客席と舞台を入れ替えた事もあって。あれは楽しかった。
___ 
盛り上がってそうなったんですか?
二階堂 
はい、踊りながらお客さんを全員舞台に連れていくんですよ。私たちは客席で踊ってました。
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素晴らしい。お客さんとのグルーブ感を一切目指していないところが潔いですね。見やすい構成をハナから目指していないのが心地良い。
二階堂 
あはは。
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それでも、その内彼らの事が愛しくなってくるから不思議ですね。
二階堂 
そうですか? ありがとうございます。

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貝を棒でRMX

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France_panC.T.T大阪に参加されているんですね。どんな作品を出されたのでしょうか。
伊藤 
ポカーンとされたのがありまして。「貝を棒で」というウチの作品のワーク・イン・プログレス公演として、その作品の中の台詞をリミックスした30分ぐらいの作品を上演したんです。
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リミックス。ユーロビートみたいですね。
伊藤 
「貝を棒で」は前半が公衆便所に籠る男の子の芝居、後半が女の子が妊娠したりする芝居で、比較的セクシャルなセリフが多く出てくるんですよ。その台本の、ちょっとエロいセリフだけをピックアップして、番号を付けて、役者に覚えさせるんです。128個ありました。それを僕が指揮者のフリをして番号を出すと役者がポンポン言う・・・。
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それはめっちゃ面白そうですね。
伊藤 
それをやった時に、若い子はウケるんですけど、おじさんおばさんはポカーンとして。最終的にお客さんに止められたんですよ。もうやめろって。こんなのは演劇じゃないって。
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素晴らしい。
伊藤 
で、上演終りの合評会の時に「あれはサクラですか?」って聞かれて(笑う)。
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サクラだったら最高でしたね。
伊藤 
サクラではなかったんですけどね。勉強させてもらいました。あの時は、アングラの時代ってこういうものだったのかもな、って。

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