THE ROB CARLTON「ELDER STATESMAN'S GARDEN」

__ 
今日はどうぞ、宜しくお願い致します。本日はTHE ROB CARLTONの皆様にお話を伺います。早速ですが、ご近況を伺っても宜しいでしょうか。
村角太洋(以下、ボブ) 
最近はもっぱら、次回4月公演の「ELDER STATESMENT'S GARDEN」の稽古ですね。
__ 
来月4月にHEPで上演する予定なんですよね。チラシによると庭についての作品という事ですが、まず、何故今回は「庭」がテーマなのでしょうか。
ボブ 
次はHEPホールという事ですので、広い空間を生かせられないかと思いまして。そこから庭が出てきたんです。
__ 
そうなんですね。THE ROB CARLTONは毎回、舞台セットに気合いが入っていますからね。やはり庭のセットが出てくると思うのですが、まずそのあたりが楽しみです。
ボブ 
ありがとうございます。毎回毎回進化していっていますね。出来上がりが楽しみです。
__ 
作品の見所をひとつ教えてくださいますでしょうか。
ボブ 
今回は今までで一番出演人数が多いんです。いままで出演してくださった方にもたくさん出て頂いているので、これまでの集大成になるかもしれません。
__ 
それは素晴らしいですね。
THE ROB CARLTON
京都で活動する非秘密集団。(こりっちより)
THE ROB CARLTON 9F「ELDER STATESMAN'S GARDEN」
THE ROB CARLTON 9F「ELDER STATESMAN'S GARDEN」
歴史は、庭で作られる。
ある晴れた日 穏やかなこの庭に
多くの男が訪れることになる 無論、思いがけずに
「庭」とは時としてそういう場所である
【公演日程】
2015年4月 17日(金) 19:30~
18日(土) 13:00~ / 19:00~
19日(日) 13:00~
*開場は開演の30分前、受付開始・当日券の販売は開演の1時間前より
【会場】HEP HALL
【料金】一般前売¥3,000 一般当日¥3,500 学生¥2,000(前売り・当日共)(整理番号付自由席)
【作・演出】村角太洋
【出演】THE ROB CARLTON(村角ダイチ/満腹満/ボブ・マーサム)大石英史/高阪勝之(男肉 du Soleil/kitt)/角田行平(男肉 du Soleil)/西垣匡基(マゴノテ)/古藤望(マゴノテ)/伊勢村圭太(夕暮れ社 弱男ユニット)/渋谷勇気
京都芸術センター制作支援事業

タグ: 会場を使いこなす 世界観の作り込み


僕を虜にした世界

__ 
今、何かお考えになっている創作のネタとか、引っかかっているネタとかはありますか?
早川 
そうですね。「創作のネタ」としては、僕は料理が好きなんですよ。本書きになる前は料理人になろうと思ってたんですよ。料理の鉄人という番組あるじゃないですか。僕、あれが大っ好きで。
__ 
私も好きです。小説持ってました。
早川 
ありますよね!僕も持ってました。小山薫堂さんの書かれた本でしたよね。ほかにも関連書籍は全部持ってます。食材を言ってもらえれば誰と誰の対決かとか、どんな料理だったかとか全部言えるぐらい好きなんですよ。
__ 
それは凄い。
早川 
それぐらいめっちゃ好きやったんです。金曜日の放送をビデオに撮って、一週間毎日見てました。今でも最終回のスペシャルを見てます。本当に好きなんですよ。
__ 
今でもですか!
早川 
中二くらいに自分でフランス語の勉強をして、5000円くらいの料理の専門書を買ってきて。自分も料理人になりたかったんですね。一回、そういうお話を書きたいと思っています。三ツ星とか、星に翻弄された男みたいな。それはちょっとやりたいですよ。
__ 
面白いですよね、料理の鉄人。
早川 
あの設定とか演出が好きなんですよね。鹿賀丈史という富豪が道楽でやっている設定とか。あの世界観がたまらなく好きでしたね。自分でオリジナルの鉄人を作って遊んでました。サウンドトラックをバックドラフトから録音してきて、それをバックに自分で書いた台詞を読んで。ラジオドラマみたいに作りましたね。
__ 
それは相当好きですね。
早川 
学校を早退して、陳建一さんのディナーショーに行ったりしてました。今これを言うとみんなに引かれます。
__ 
いや、私は良く分かるつもりです。あの番組はバブル崩壊後の夢であり、あれを見て腹の空かない人間はいませんよ。
早川 
そうですよね、あんな番組は無いと思うんですよ。確実にTV史に残る番組で。
__ 
あの演出は凄かったですよね。道場六三郎が紹介される時のVで、連勝している頃は途中で滝の流れる映像がカットインしますよね。あれが凄くかっこいいですよね。
早川 
鉄人が出てくる時、せり上がってくるのがいいんですよ。こないだまでやってたアイアンシェフは、立っている状態からパネルが下がっていくんです。これはね、同じようで全然違うんですよ。やっぱりせり上がらないと。もの凄く不安だったんですが、やっぱりすぐ終わってしまった。僕に任せてくれれば絶対人気番組にしたのに。ガッカリでした。

タグ: クッキングの話題 ラジオドラマ 世界観の作り込み


驚きの舞台を起点に生まれた、人気劇団の作品に注目

___ 
今回は舞台を作るというだけじゃなく、5劇団による公演もありますね。
肥後橋 
演劇を作る時、普通は脚本ありきでセットが作られますよね。でも、学生の時に「ただただこんなセットが作りたい」という衝動ってあったんじゃないかと。
___ 
ありますあります。分かります。
肥後橋 
昔の先輩が、巨大な二枚貝がパカッと開くセットを作った事があって。でも、そんな台本世の中に無いんですよ。
___ 
そうですね。
肥後橋 
そして先日、竹内良亮が「城を作りたい」と言い出して始まった伝舞企画。なら、舞台のテーマが先行する演劇というのもあるんじゃないか。それを、僕ら京都ロマンポップだけがやるのはもったいないから、ゲスト団体さんをお呼びしたら面白いんじゃないかと。
___ 
素晴らしい。京都ロマンポップステージタイガー壱劇屋劇団ZTON、カメハウスですね。どうやって作品作りが進められていくのかも楽しみですね。
肥後橋 
今回、「Sketchup」というCADソフトでセットの設計を進めています。それを先日、各劇団さんにお送りしたんですね。その後脚本を書いていただき、テクニカルミーティングでプランのすり合わせをして。結構大変ですね(笑う)。
___ 
実は、ワークショップ公演という触れ込みから作品に目が向いてない部分があったんですけど、それぞれ、どんな作品を作っていくのかも楽しみですね。壱劇屋とか。
肥後橋 
西分さんが高校の後輩で。今回の窓口になってもらったんです。壱劇屋は普段、舞台セットを建て込まないので楽しみにしてると言ってくれて。
___ 
ステージタイガーは安心して期待出来るし、ZTONは時代物なのかな。他の劇団とのギャップとかも含めて面白そうですね。
伝舞企画
公演時期:2013/9/20~23。会場:京都大学西部講堂。
ステージタイガー
俳優達の鍛え上げられた圧倒的な筋肉。それに最大限の負荷をかける事により、人間の奥深くに眠る野生のエネルギーを創出する。そんな超体育会系演劇を目指すステージタイガーは、関西を代表する強く、切なく、そして狂おしい劇団です。15名を越える劇団員で、自主公演だけに収まらず、ライブハウスから廃校まで、年10本以上のイベントにも出演中。今日もあなたの元へステージタイガー。もう、君にムキキュン。(公式サイトより)
壱劇屋
2005年、磯島高校の演劇部全国出場メンバーで結成。2008年より大阪と京都の狭間、枚方を拠点に本格的な活動を開始。主な稽古場は淀川河川敷公園で、気候や時間帯をとわず練習する。マイムパフォーマンスを芝居に混ぜ込み、個性的な役者陣による笑いを誘う演技にド派手な照明と大音量の音響と合わせ、独自のパフォーマンス型の演劇を行う。イベントではパントマイムやコントをしたり、FMラジオにてラジオドラマ番組を製作するなど、幅広く活動している。(公式サイトより)
劇団ZTON
2006年11月立命館大学在学中の河瀬仁誌を中心に結成。和を主軸としたエンターテイメント性の高い作品を展開し、殺陣・ダンスなどのエネルギッシュな身体表現、歴史と現代を折衷させる斬新な発想と構成により独自の世界観を劇場に作りあげ、新たなスタイルの「活劇」を提供している。(公式サイトより)
カメハウス
近畿大学文学部芸術学科舞台芸術専攻演技コース出身の代表・亀井を筆頭に旗揚げしたパフォーマンス演劇集団。亀井が作・演出・振付を行い、彼の作り出す世界は多人数が動き回るエンタメ作品から、少人数で構成された繊細な文学的作品まで幅広い。楽曲のPVの様なパフォーマンスが芝居の中に多用されるのが特長で、身体全てを使った独特な表現を追求している。本公演以外にも、チャリティー企画や文化祭、前説など各種イベント及びコンテストや、LINX'Sなどの演劇祭に出演。映像製作にも力を入れている。(公式サイトより)

タグ: 繊細な俳優 京都と大阪・大阪と京都 町とアートと私の企画 世界観の作り込み


sunday play日本の名作#2「友達」

__ 
今日はどうぞ、よろしくお願いします。平林さんは最近、どんな感じでしょうか。
平林 
最近はsudayの次回公演、「友達」の稽古ですね。公演は7月11日から。もう再来週ですね。
__ 
凄く楽しみです。安部公房の傑作「友達」。平林さんは主人公の家に押し掛けてくる一家、の父役を演じられるんですよね。「善意」がキーワードの戯曲だと思うんですが、ズバリどういうポイントを大事にして演じられたいと思われますか?
平林 
議論をたくさんする作品なんですけど、いい案配でお客さんまで納得させて、共感させるようになればいいなあと思ってます。
__ 
議論と説得力・・・そういえば、ウォーリー木下さんの作品で台詞のある芝居は久しぶりに拝見します。今回の作品、ウォーリー演出ならではのお楽しみポイントを教えてください。
平林 
そうですね、振り付けだったり音楽だったりはもちろん魅力なんですが、あるシーンでイメージがぽんぽんと切り替わっていくのがあって。振り付けと演技の区別が付かなくなるかもしれません。そもそも、この芝居における「振付」が一体どういう事なのか、今から楽しみにしてほしいです。
__ 
振り付けは冨士山アネットの長谷川寧さん。主演も務められるんですよね。とても楽しみです。意気込みを教えてください。
平林 
なんか、カラッとした感じになればいいなと思います。みんなが幸せになるお話じゃないですが、それも悪くないな、って思ってもらいたいかな。押し付けがましくなく演じられたらいいなと思います。
sunday
2004年、劇団☆世界一団、第1期終了。ふたつのinterludeを経て、sundayに改称。「今面白いと思うことを、遊びながら作る」というメッセージ性の少ないカンパニー。しかしその現代性とファンタジー性が融合した世界観は、ポップでありながら実験的。物語とパフォーマンスの絶妙なバランス、そして実力派の役者たちによる見応えのある演技は、公演回数が少ない割には確固とした評価と動員を得ている。目指すは「世界一おもしろい演劇部」。(公式サイトより)
sunday play日本の名作#2「友達」
公演時期:2014/7/11~14。会場:AI・HALL(伊丹市立演劇ホール)。

タグ: ダンスと振付 ファンタジー ユニークな作品あります 次の公演 世界観の作り込み ウォーリー木下


カメハウス第漆回公演「MEMENTO」

__ 
今日はどうぞ、よろしくお願い致します。京都ロマンポップの玉一さんにお話を伺います。京都ロマンポップは昨日、UrBANGUILDで公演「ニホンノカビ」を終えたばかりですね。お疲れ様でした。最近はいかがですか?
玉一 
ありがとうございます。よろしくお願いします。今は、カメハウスの公演「MEMENTO」の稽古が始まっています。以前、プロデュース公演の時にカメハウス主宰の亀井さんと出会ったんです。今回はその縁からの参加になりました。世界観の作り込みが凄いんですよ。台本と一緒にキャラクターの設定資料を頂いたんですが、それがこと細かに書かれていて。それを読んだだけでも世界観が分かるんです。
__ 
楽しみですね。
玉一 
はい!とても。
京都ロマンポップ
「物語は幸せへの通り道」京都ロマンポップは、2005年京都を拠点として旗揚げしました。作品は、よりふじゆきによる脚本:本公演と、向坂達矢による脚本:さかあがりハリケーンの二本を支柱としています。本公演の舞台設定は、古代ローマ、中世ドイツ、昭和初期日本、そして現代と多岐にわたっていますが、一貫して描かれているのは普遍的な人間の悲しさや苦悩であり、そこから私たちの「生」を見つめなおす作品です。哲学的な言葉を駆使しながらも、役者の熱や身体性を重視する、ストレートプレイ。「ロマンポップ」の名前の通り、エンターテイメント的な要素も取り入れながら物語を紡ぎます。さかあがりハリケーンは、短編作品集です。その作品群は「コント」ではなく「グランギニョール」ただ笑える作品ではなく、どこか屈折した退廃的な空気が作品に漂います。歌やダンス、身体表現を最大限に取り入れていますが、対峙するは「現代の演劇手法」です。(公式サイトより)
カメハウス第漆回公演「MEMENTO」
公演時期:2013/12/27~12/29。会場:道頓堀ZAZA HOUSE。

タグ: その人に出会ってしまった 私たちの世代 Urbanguild 世界観の作り込み


イエティ「さらばゴールドマウンテン」

__ 
古藤さんの最近の出演作、努力クラブとイエティと壁ノ花団と衛星と、どれも拝見しています。
古藤 
ほんまにありがとうございます。
__ 
最近の中で特に印象深かったのは。
古藤 
去年から本格的に演劇に入って、毎回違う方達とやらせてもらっていまして。毎回その、違うんですよ。これが良かったなというよりは、毎回違う事をやっている感じですね。
__ 
毎回全然違う。
古藤 
その中でも今年の頭に出させてもらったイエティと努力クラブは僕の中では特別に印象が強いです。変な意味じゃなくて、真逆だったんですよ。現場とか、経験が。イエティは先輩ばっかりで僕が一番下、努力クラブは僕が上の年代だったり。まあ、努力クラブもキャリアとかは皆さんが先輩だったんですけどね。
__ 
なるほど。
古藤 
イエティでは先輩に必死に食いついて、努力クラブでは今まで出来なかった事とかを出来るようにして。でも、どちらもまだまだ出来る事はあって、反省も残っています。
__ 
というと。
古藤 
台本を頂いてから本番までに、やっぱり段階があるんだと思うんですよ。イエティの方でそれを再認識しました。セリフを覚える段階、噛まずに言える段階、セリフが染みこんでくる段階と、その段階のスピードが早かったりして。もちろんそれは誰でもバラバラなんですけど。でもイエティでは、ある時ギューンと、周りがさらに上の段階に成った時があったんです。
__ 
へえ!
古藤 
僕がいなかった稽古があったのかなと思うぐらい。実は最初の方でエチュードをしていて、いい意味で抜けた雰囲気でやっていて、割とこういう感じで進んでいくのかと思っていたら、稽古期間の最後の方で急に物凄く伸びたというか。どういう思考でやってはるのかなと。
__ 
そのイエティの作品「さらばゴールドマウンテン」では最後の方にドタバタがありましたね。それが凄く面白かったんですけど、そこを舞台上で生でやる事に照準を合わせて稽古を進めていった、という感じなのかもしれませんね。
古藤 
狙いに合わせて、それまでのシーンのディテールとか、態勢を稽古で色々決めていった、のかも。
__ 
何より、彼らの役者としての、その「ギラギラしている」という言葉を使っていいのか分からないですけど、そういう熱い部分が伝わってくるようですね。
古藤 
弱男の村上さんと舞台が終わった後に話させてもらって。世界観を崩さない為に、ウソになってしまうようなコミカルすぎる演技じゃあ、なかった、ってなって。僕は最初、コントに近い作品だと思って稽古に臨んでいったんですが、舞台を作り込んだり戯曲を読み込んでいったりする内に、あの世界観に入れていった感じでした。その感覚を汲んでもらったんですね。嬉しかったです。「~~風のコントじゃなくて、ちゃんと演じている役の人物を考え、その上での感情を込めた演技をしたいよね」と、競演させていただいた土佐さんには言われました。同じ事かもしれません。それは僕の課題なのかもしれないですね。次の努力クラブに、その意識で行けました。
__ 
努力クラブ必見コント集ですね。
古藤 
まずは、居場所を見つけるところからでした(笑う)とけ込めばいいのか、ケレン味をもっと出せばいいのか探りながらですね。あんだけのメンバーなので。楽しみながら迷ってました。
イエティ
大歳倫弘氏作・演出のヨーロッパ企画のプロデュース公演。
イエティ「さらばゴールドマウンテン」
公演時期:2013/2/14~18(京都)、2013/2/22~25(東京)、2013/3/1~3(大阪)。会場:元・立誠小学校 音楽室(京都)、駅前劇場(東京)、インディペンデントシアター2nd(大阪)。
努力クラブ
元劇団紫の合田団地と元劇団西一風の佐々木峻一を中心に結成。上の人たちに加えて、斉藤千尋という女の人が制作担当として加入したので、今現在、構成メンバーは3人。今後、増えていったり減っていったりするかどうかはわからない。未来のことは全くわからない。未来のことをわかったようなふりするのは格好悪いとも思うしつまらないとも思う。だから、僕らは未来のことをわかったようなふりをするのはしない。できるだけしない。できるだけしないように努力している。未来のことをわかったふりをしている人がいたら、「それは格好悪いしつまらないことなのですよ」と言ってあげるように努力している。(公式サイトより)
壁ノ花団
MONO所属俳優、水沼健氏が作・演出を務める劇団。独特な手法を用いて豊穣なユーモアの世界を紡ぎだす。
劇団衛星
京都の劇団。代表・演出は蓮行氏。既存のホールのみならず、寺社仏閣・教会・廃工場等「劇場ではない場所」で公演を数多く実施している。

タグ: 俳優のブレイクスルー はじまりのエチュード 迷っています MONO 今年のわたし 反省Lv.1 ギラギラした俳優 世界観の作り込み 作家の手つき


当たったら死ぬよね

__ 
ZTONの稽古はどんな感じで進んでいくんですか?
土肥 
最初に段取りを付けてから細かい所を付けていきます。今回は本当にセリフを覚えるだけじゃなくて、それぞれの種族のディテールを詰めて考えてこないといけないんですよね。例えるなら、河瀬さんの言葉を借りると、ガンダムの一年戦争です。「ストーリーが一本あって、舞台はホワイトベースの内部が主なんだけど、しかしその外にも色々な部隊があって、敵の勢力にも色々な人物やドラマの存在を感じる事が出来るだろう。今回は戦記として、世界が感じられるような作り方をしてこい」と。それは今回の特長ですね。
__ 
それが肝なんですね。
土肥 
そうですね。その世界の空気を立ち上げるために、それぞれの部族の生き方を持っていないと構成出来ないので。今までと何よりも違うのは、借景がないんですよ。日本史という背景があれば大体イメージ出来るので。
__ 
完全なオリジナルの世界観なんですね。
土肥 
江戸時代なら米食ってるのかとか想像出来るんですけどね。
__ 
今回は、そうした世界観を作る所から始まるんですね。
__ 
意気込みを聞かせてください。
土肥 
いや~、僕はもういっぱいっぱいで。でも主役なんですよね、天の章、地の章ともに。頑張ります。
__ 
殺陣もね。
土肥 
今回は殺陣のアプローチも今までとちょっと異なるんですよ。言ったら「当たったら死ぬ」ものを作ろうとしています。
__ 
おお!というと。
土肥 
今までは「カッコイイ!早い!やっつけた!決まった!!」ものを作ろうとやってましたけど、当然、刃物が当たったら切れるんですよ。そこを大切に見せようと思ってます。今回は刀の殺陣だけじゃなくて、短刀とか斧とか弓矢とか、バリエーションのある殺陣を作っています。種族ごとに狩りの方法が違うので。そして、それを振るう人たちの思いを大切に描きたいですね。これは、戦国無双じゃないよと。ゲームみたいな殺陣の爽快感というのは、今作ろうとしている「天狼ノ星」ではきっと浮きます。
__ 
なるほど。大改革ですね。
土肥 
河瀬さんが突き詰めて考えてきたものが、ようやく仕上がりつつあるという感じですね。
__ 
スピード感があって美しい殺陣。当たったら死ぬという当然の事をやろうとしているのが気になりますね。
土肥 
そうなんです。「はい、ここから殺陣ですよ」みたいな事にはしたくないですね。芝居で殺陣を見るとき、技術そのものには実は感動はないんだと思うんです。ドラマがあって、剣を持たないといけない理由が分かって、相手を殺すのでも制圧するのでも、全ての行動にそれなりの理由が体感出来るのが殺陣をやる意味だと思うんです。話に対して浮いている殺陣ショーにはしたくないですね。それはみんなが思っていると思います。
__ 
演劇でやっている意味がないからですね。
土肥 
そうですね。殺陣だけ出来てもしょうがないですからね。実際の剣術じゃないし。
__ 
芝居が始まった瞬間のドラマに共感出来た時、目の前で行われている演技に臨場感が生まれて、ようやく予測から離れる。そこからが面白いと思える。というモデルですね、きっと。
土肥 
そうですね。早い、カッコイイだけになってしまうと、きっと物語を見せている意味が無くなってしまう。物語の空気に触れていってほしいです。とか言っていらんギャグとか言っちゃうんですけどね。この間遊戯王カードのネタ言っちゃったり。そういう矛盾も含めて。
__ 
プリキュアネタとかね。
土肥 
あ、狗神エイトの時ですね!懐かしい!寝坊して「今何時?プリキュアは!?」とかね。「あの役あんなナリでプリキュア見るねんな」って思ってもらえたら嬉しいです。
__ 
あのネタ、自分で作ったんですか!?
土肥 
はい、河瀬さんは呆れながらも流してくれるんですよ。ダメなときもたくさんありますけど。
狗神エイト
公演時期:2009/8/27~30。会場:ART COMPLEX 1928。

タグ: ガンダム 殺す プリキュア 段取リスト 殺陣の話題 世界観の作り込み


咲かないバラ

__ 
あ、作品についてもっと話したくて。
森口 
そうですね、全然喋っていませんでしたね。話しましょう。
__ 
「薔薇にポケット」で凄く工夫されていて驚いたのが、後ろの布地に小道具というか、アップリケをマジックテープで貼り付けて書き割にして、それが絵本のようになるという発想がとても可愛らしいですよね。花で出来たアーチとか、お祭りの風景とか。あれを考えたのは。
森口 
私です。舞台装置をどうしようと思っていたんですが、ページをめくるようなイメージでした。それらを貼り替えるというのなら出来そうだし、絵を描くのも好きなので。背景が変わったら面白いなと思ったんです。何もないところに重ねていくとか、減っていくのが面白いなと。
__ 
あの美術、凄く効いていました。
森口 
ありがとうございます。
__ 
絵本という世界観を一瞬で説明してくれるし、その中で行われる演技もとても絵本調なのに嫌らしくなく決まっていて。感心したのが、場面転換の時、俳優の一人が前に出てきて次の場面の説明をボードでするんですが、その時に後ろを気にする演技をしますよね。それが凄く良かったんです。
森口 
あれはみんなでやってもらったんですが、イメージとしてはニワシティの住人や妖精というものでした。
__ 
いや、何か言葉で言うとありきたりかもしれないんですけど、それを実際に目にすると何故かものすごくびっくりしたんです。だって、あまりにも当然というか、あんなにハマっているメタ演技はないんですよ。そこに演出の手つきの良さを凄く感じたんです。
森口 
そういうのがパプリカンポップでやりたい事なのかなと。もちろん大人向けの作品なんですが、子供が観ても大丈夫、というのを結構意識しています。あの役割も、私がこういう事をやりたいと言っただけで、解釈してくれたんですよね。
__ 
「薔薇にポケット」じつはちょっと、悔しかったです。
森口 
悔しい?
__ 
正直、最初の10分間ぐらい、子供向けの何かだろうと思ってたんですよ。その後の予定があって、ちょっと焦った気分で見ていました。なのに、それが凄く調和されて作られているものだと分かって。
森口 
ありがとうございました。
__ 
結局、赦しの話だったと思うんですよ。咲かないバラが秘めているものが、彼女の思いそのもので。裏切りにあっても許すというのがすごくいい展開ですよね。
森口 
はい。それもテーマの一つでした。

タグ: 子供が見て喜んで、且つ同時に批評家が唸ってしまう 工夫する俳優 調和の価値 世界観の作り込み 作家の手つき


「上手だな」って感じさせへん人

阪本 
でも、それは過程ですので。苦痛という訳ではないですね。柳沼さんの世界を体現するに当たって、どういう感覚を持てばいいのかを私は何となく分かるんですけど。その、さっき言った空気をどういう風につかめばいいのか。やっていくことでしか分からないし作れないんですよね。
__ 
書いた人じゃないから、分からない事もありますしね。では、空気をつかむ力ってどうすれば分かるようになるのでしょうか。
阪本 
私が凄いなと思う俳優は、「上手だな」って感じさせへん人なんです。あ、そこにいるよね、というぐらいの。いらんものをとっぱらって、すっと没頭出来る人をみると、凄いってなります。
__ 
ええ。
阪本 
そういう存在になりたいし、そういう作品に出会えると嬉しいです。だから、役者さんに技術や能力があっても、私はそこはあまり重視していなくて。もちろん上手だなとは思いますけど。
__ 
すっと、そこに自然に立っているんですね。
阪本 
そうです。その作品の世界観をどこまでリアリティを持って立てるかというのが俳優の力なんじゃないかなと思います。
__ 
宛書きというのが、一つのアプローチかもしれませんね。だから、全然別の文脈や文法の役柄を振るときには勇気がいるのかもしれません。
阪本 
昔、シェイクスピアの作品に出させてもらった時にデズデモーナ役を演じる機会がありました。まずはオードリーヘプバーンの映画を見たり、高貴な方の振る舞いを研究したりしました。
__ 
なるほど。
阪本 
まず身体が全然違って。でも、自分と共感するところを探して、そこを軸に作っていきました。その役と、自分が生きてきた中で得てきたものがリンクして生まれたものがあれば、その人でしか出来ない演技なんじゃないかなと思うんです。そういうのを見たいしやりたいと思います。それが稽古なんですね。
__ 
その俳優でしか出来ないこと。
阪本 
私は他の人になるという事が出来ないと思うんですよ。どうしてもその人が出るんだと思います。

タグ: シェイクスピア 世界観の作り込み


槍のようなもの

__ 
その「トカトントンと」。どんなテイストの作品になるのでしょうか。
小林 
「トカトントン」という短編小説を、コラージュという形ではなくそのままやるんです。別の作品も挟む予定ですが、地点としては少し珍しいかたちです。
__ 
地点の作品というと、戯曲を破壊して再構築するという事が多かったと思うのですが。
小林 
まだ稽古が始まったばかりなのでどうなるのかわからないんですが、今は頭から小説のシーンをやっているという状態ですね。その、小説をそのままやるというのがやっぱり難しいんです。戯曲は台詞が書いてあって、それはカットしたりつなぎなおしたりが出来るんですけど・・・
__ 
ええ。
小林 
小説は情景描写の文章があって、その状況をどうやるかなんですよ。たとえば喫茶店に入って注文した・カップにコーヒーが注がれた・目の前のそれを飲む、って。僕らはその状況を実際にやるのではなく台詞で表現する事が多いので。その情景をどう発語するかが課題です。
__ 
小説文の言語空間って、個人の読書体験の中でしか得られないものだと思います。そうした主観的だからこその広大な世界体験を、舞台化する事にどのような価値があるとするかですよね。
小林 
やっぱり、小説の世界観の出し方って情景描写をどうするかが大事なんですよね。それに、小説特有の回りくどい言い方というのがあるんです。たとえば「カップに沈む木漏れ日がまるでなんとかかんとかのようだ」って結局光だろ、みたいな。言いたいことは1行なのに比喩と隠喩だけもう1ページぐらいあるんです。そういうエビ天の衣みたいなのが世界観だと思うんですよ。結局中身はエビなんですけど。
__ 
難しいですよね。読み手の解釈が刺激を呼ぶ場合もあるし。
小林 
そうなんですよ。文学作品を楽しむなら、一人でイメージを作ればいい。舞台化するのなら、実験を重ねて、槍のようなもので文学を刺す手法しかないんですよね。
__ 
というと。
小林 
今試している手法は、中身が結局エビであるという事をバラしちゃうんです。「この人こんなまわりくどい事言ってるけど結局エビですよ」って。もちろん、実験中なのでそれがメインではないんですけど。

タグ: 世界観の作り込み


着々と

__ 
さて、次の公演は。
三國 
ウチには僕の他に田中次郎という作家がいます。脚本・演出家が二人いるというのが特色なんですが、そこをうまく打ち出せていなかったんですよね。水槽の件での反省の後、田中の脚本での作品を順々に発表していきたいと思っています。
__ 
目標は。
三國 
窃盗団というイメージから、2012年の末には田中の作品が見られる団体、というイメージになってたらいいですね。
__ 
田中さんは、どのような作品を作られるのでしょうか。
三國 
彼は西一風時代の後輩で、自分の持つ世界観を表現に昇華できる数少ない作家だと思っています。僕はコンセプトから作品を作るタイプなんですが、彼は客席を取り込むような世界を作っていくんですよ。力のある劇作家の方も褒めて下さっていて、これから注目を頂けるんじゃないかと。期待していただければと思います。

タグ: 世界観の作り込み


心に残る傷跡

__ 
松田さんは、どういう感じでお芝居を始められたんですか?
松田 
大学を卒業してから実家に帰って、何もしてなかったんですよね。しばらくして同じ劇団の森田が、芝居をやるって、三回目の公演に誘ってくれたんですよ。それが面白くって、羨しかったんですよね。
__ 
今はどのような理由で続けているのでしょう。
松田 
元々、他人を感動させる事には興味があったんですよね。他人にも自分にも、同じようにそれぞれ心の中の世界があって、一つの作品を作って共有することが本質的な事なんだろうなと思うんです。でもそれは、やっぱり遠い世界の話だったんです。
__ 
ええ。
松田 
しかし実際尼崎ロマンポルノに入ってみると、本当にそういう体験を得られたんですよね。尼崎は前衛的な作風。だから、自分個人の世界観も、磨くでも高めるでもいい、とにかく陳腐にならないように気を抜けないんですよ。
__ 
そういう、世界を作るという作業に当たって、松田さんが気をつけている事とは。
松田 
感情移入出来る俳優にならないと、と思います。それが全てじゃないですけど、面白いと思ってもらう為には、心に残る傷跡っていうか、・・・難しいですね。
__ 
残されたもの、傷跡。
松田 
僕という存在ですかね。思い返して欲しいんですよね。結局は。その辺りは、森田と同じかもしれません。

タグ: 世界観の作り込み 自分は何で演劇を


KUNIO09『エンジェルス・イン・アメリカ』

__ 
今日はどうぞ、宜しくお願いします。松田さんは、最近はどんな感じですか?
松田 
最近は自分の劇団、尼崎ロマンポルノの稽古と、KUNIOの稽古で、結構ハードな日程ですね。
__ 
両方出演されるんですね。尼崎ロマンポルノの方のタイトルは。
松田 
はい。「ラブホテルジプシー」です。公演日程は10月7日~10日です。結構、刺激的なチラシになっていると思います。
__ 
大変そうですね。楽しみにしております。さて、KUNIOのお話。松田さんは、「エンジェルスインアメリカ」へは初演からですか。
松田 
はい、初演も出演させていただいたので二度目ですね。役も変わらずルイス役です。理屈っぽいキャラクターなんですが、僕とは正反対なので難しいですね。それを今回も。
__ 
初演と比べていかがですか?
松田 
全体的な完成度は高・・・くなると思います(笑う)。前に初演をご覧になった方には、その後の世界観が待ち受けていると思うので、是非ともご覧いただきたいと思います。
尼崎ロマンポルノ
2005年1月近畿大学在学中、橋本匡、堀江勇気を中心に旗揚げ。劇団員は6名。「劇団のための作品ではなく、作品のための劇団」がモットー。実在の事件や状況を扱い、「フィクション」でも「ノンフィクション」でもなく、「フィクションに紛れるノンフィクション演劇」として上演を続ける。現実と妄想、あの世とこの世など、自由に空間を行き来しつつも、ノスタルジックな雰囲気を舞台化する。エンタメやアングラやポップやアヴァンギャルドなどの枠に囚われず「本格物」で勝負できる劇団をめざして活動中。(公式サイトより)
KUNIO
演出家、舞台美術家の杉原邦生さんのプロデュース公演カンパニー。特定の団体に縛られず、さまざまなユニット、プロジェクトでの演出活動を行っている。(公式サイトより)
KUNIO09『エンジェルス・イン・アメリカ』
公演時期:2011/9/23~25(京都)。2011/10/20~23(東京)。会場:京都芸術センター講堂(京都)。自由学園明日館講堂(東京)。

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ナントカ世代8『ろ・こ・こ』

__ 
この間のナントカ世代、面白かったです。
浦島 
ありがとうございます。いや、よく分からないんですよ。自分たちでは。
__ 
ご自身ではどんな作品でしたか?
浦島 
まず、体力的にかなりしんどかったですね。いつもは精神的にヘトヘトになるんですけど、今回は劇研を8周走って叫んだ直後、驚いて息を止める芝居を入れたりするので、普通にしんどいのと(笑う)。
__ 
冬で暖房が効いてますしね。
浦島 
だから、口がカラカラになるんですよ。あと、延命さんに負けなかった。まあ北島君が稽古場でよく言うんですけど、男が負けて女が勝つんですよ。僕の役は毎回スズキスズオって言うんですけど、必ず言いくるめられるんです。でも今回、最後の直前までスズキスズオとしてそこまでひよらずにいけたかなと。
__ 
何故スズキスズオは虐げられるんでしょうか。
浦島 
全部女性を美しくみせるため、みたいです。演出の北島君から僕にちょいちょい来る指示は「光に当たってなくていい」。ひどい時には、全てのアンケートに一枚も僕の事が書かれずに終わった事もあって。でも、僕にとっては良かったのかもですね。何だアイツはとか書かれずに、引き立て役に徹したという。
__ 
匿名性の高い役柄ですよね。そう考えると、バランス感覚のいる特殊な役どころですね。目立ってはいけないが、コロスでもない。
浦島 
そうですね。延命さんを可愛く見せるための役なんでしょうね。ところどころで、延命さんを可愛くするシーンを入れてたりするんですよ。
__ 
最初の方でネコミミを使ったり。
浦島 
そういえば今回、最初の5分で舞台の仕掛けを全部使っちゃいましたね。
__ 
あー、タライが丸出しに見えているところから始まって、地蔵が浮遊したり。
浦島 
電話が飛んだり。もうそれ以降全部使っちゃって。舞台装置の丸山君の仕事の半分くらいが消費されましたね。
__ 
あれはパフォーマンスとして凄く面白かったです。序盤で手の内をさらけ出されて、警戒を解かれる感じがしました。劇場の時間を共有する側として、なんとも共犯者的な感覚がありましたね。
ナントカ世代
「正確な日本語」と嘯く特異な言語感覚に支配された規律(ルール)と、したたかな美意識によって用意する絵本のような突き放した風景描写(マナー)により織り成す、独特としか言えない割には中庸な世界観が身上。(公式サイトより)
延命聡子氏
女優。

タグ: 世界観の作り込み


夜想と町

__ 
蟻さんは今後、どう攻めていかれますか? 次以降、表現してみたい世界観ですとか。
蟻  
全く具体的じゃないんですけど、町が何故出来ているのかという事を考えますね。
__ 
町が。
蟻  
最初は人間が集まって役割分担を始めて、村が出来て町になると。何となくそういう流れだと思うんですけど、人が一人でいるという事と、集団でいるという事の間に何かしら不思議な、良く分からない違いがある気がして。そこらへんは作品を書く上での原動力になったりします。もうちょっとミニマムに言うと、僕がいて君がいて、人と人の間に働く引力と斥力。それは毎回考えているテーマですね。

タグ: 今後の攻め方 世界観の作り込み


劇団PASSIONE vol.35 夜想? 「0100」

__ 
本日は、宜しくお願い致します。ちょっと前になりますが、前回公演「0100」、非常に面白かったです。
蟻  
ありがとうございます。
__ 
非常にPASSIONEらしく、幻想的なのに安心して見られる、良い公演だったと思います。その公演後、芸術センターの演劇計画で演劇表現を問い直す作品群が各所で上演されていたそうですが、それらと好対照な印象がありました。ご自身では、「0100」はどのような作品だったのでしょうか。
蟻  
まあ、あまり実験的なものを目指そうという考えはありませんでしたね。それよりは、より演劇的なものをしっかりつくりたいと考えていました。
__ 
そういえば、例えばダイナミックな場面転換などすごく演劇的だったように思いますね。最初のシーンは自分の子供が通う学校にきた主婦の会話、彼女らの回想シーンから小学校のクラス風景にスライドしていって、そこから現在と過去と妄想とが混ざり合う。
蟻  
そうですね。シーンの繋ぎ目をスムーズに、主人公の描く妄想の世界との境界をなるべく無くしていこうと思いました。
__ 
PASSIONEの魅力が見やすく表現された、丁寧な舞台だったと思います。キャストでいえば校長役の胡蝶さんの凛々しさがよく出ていました。
蟻  
ありがとうございます。
劇団PASSIONE
1997年結成。京都を拠点に活動する劇団。寓話的世界を描きながらも、不思議な現実感の後味を残す作品が特徴。激しさと寂しさの同居する、万華鏡のような世界観。
劇団PASSIONE vol.35 夜想? 「0100」
公演時期:2009年8月29~30日。会場:人間座スタジオ。
演劇計画
京都芸術センター主催。関西のみならず、広く全国から演出家とその作品を募り、上演を含めた育成プログラムを展開する。
胡蝶侘助氏
劇団PASSIONE団員。俳優。
リールイ氏
劇団PASSIONE団員。俳優。

タグ: 世界観の作り込み


印象には残らない美術

__ 
丸山さんの、美術としての特徴って、ご自分でどのような部分にあると思われますか?
丸山 
うーん・・・。元々絵を描いたり、物を作ったり、まあ芸術大学にも入ってたんですけど、自分の作品やテーマをゼロから定める事が出来なかったんですね。
__ 
ええ。
丸山 
むしろ、人から得たヒントがある状態で物を作るのって面白いなあと思ったんですね、舞台美術とか小道具作りとか。一つのフレーズなりキーワードなりがお芝居にあって、それが、こちらで密かに作った裏テーマと結び付いたりすると面白いですね。客席には伝わらないかもしれないですけど。例えば色を一つ選ぶとしても、色の名前から連想されるものを使ったり。
__ 
色の決定ですか。それは演出とも相談したりするものですね。
丸山 
美術としては、破綻しない色の組み合わせをまず選びます。その上で演出との相談は、例えば「ナントカ世代」の北島くんですが・・・。
__ 
ああ、この間の劇研での公演を拝見しました。丸山さんが舞台美術でしたね。
丸山 
ええ。北島くんは、装置の配置に関しては割と細かく指定してくるんですね。ただし色は決めない。ナントカ世代の色は物凄く地味なんですよ。黒じゃないか、というぐらい。でも、物凄く抑えているんだけど実は色数がかなり多いんですね。
__ 
おお。
丸山 
お客さんが舞台を観終わって、「あの舞台は何色だったか思い出せないんだけど、作品の内容と調和して印象に残っている」というのが理想ですね。舞台のセットというのは結局背景なんです。役者さんが被写体で、メインじゃないですか。例えば、優れた肖像画の背景って、ほとんど人の印象に残ってないんですよね。まあ、有名なものが何個かありますが。
__ 
なるほど。真っ先にモナリザが浮かびましたけど。
丸山 
ええ。絵を勉強してる人なら覚えているかもしれませんけど、やっぱりそうでない普通の人の印象には残らないんですね。それはどういう事かと言うと、凄く手が込んでいて、でも絵の印象を崩さないで、絵の記憶には残さないんだけどもぶち壊してもいないという。
__ 
高度に調和されているという。
丸山 
そういう舞台美術を目指しています。で、さっきでた「ナントカ世代」の公演なんですが。
__ 
「岸田國士」の「紙風船」でしたね。
丸山 
そこで不思議な経験をしたんです。公演後に、インターネットで検索してこっそり感想を読んでみたんですよ。その中に、舞台上には無かったものを見ていた人がいたんですね。
__ 
どんな事が書かれていましたか。
丸山 
「紙風船」で、妻が4人いるという演出にしていたんですね。夫の正面の妻を横に3人コピペするという配置の。その3人の妻が座っていたのはほとんど黒に近い紫のベニヤ板だったんですけど、その感想によると「畳が敷いてある」と。
__ 
へえ。
丸山 
いや、畳は敷いてなかったんですけど(笑う)。印象としてそう見えたんでしょうね。それは僕のアレというよりは、演出の作り上げた世界からそう記憶されたものなんでしょうね。そういう記憶違いって、凄く面白いなと思います。一つのオブジェクトをメインで集中してみる彫刻などでは起こりえないんです。お芝居だと、目から耳から様々な情報が同時に入って、それで世界観を作っていると。だからこそ記憶違いすら生み出す印象が表れたという事です。面白いなと思いますね。

タグ: 舞台美術 会場を使いこなす 調和の価値 世界観の作り込み


vol.114 丸山 ともき

フリー・その他。

2009/春
この人のインタビューページへ
丸山

子供鉅人2008年10月公演「電気女夢太る」

__ 
今日は、宜しくお願い致します。
益山 
宜しくお願い致します。
__ 
しかし、凄く良い雰囲気のお店ですね。
益山 
ボロいだけですけどね(笑う)。
__ 
いえ、こういう感じ好きですよ。さて、前回公演の「電気女夢太る」。非常に面白い作品でした。
益山 
ありがとうございます。
__ 
俳優の演技のスタイルや、演出や、音楽が一つにまとまって、面白く拝見できました。
益山 
ミュージシャンの方とも、仲の良い人たちとやれたんですよね。今回は初めての長尺のお芝居でしたが、それまでは習作の短いお芝居をライブハウスなどでやっていたんです。それの集大成としての作品でしたね。
__ 
ええ、お芝居としても最後のカタルシスがきちんと演出されていて、終わった後に確かな見ごたえがありました。主人公のデブが、それまで周囲にはひた隠しにしていた電話を全員に掛けてハーメルンのバイオリン弾きよろしく電気町に連れていくという・・・。舞台となった町が洪水で流されてしまうという展開も良かったですね。
益山 
ちょっと、力技の落ちでした。
__ 
良いシーンがいっぱいあった芝居でした。益山さんは、どのシーンがお気に入りですか?
益山 
僕ですか? 全てのシーンが好きですね(笑う)。まるで我が子のように。あえていえば、最後のシーン、オーラスの後に死体が結婚式を挙げるというのが。
__ 
あそこはキレイでしたね。カーテンコールも起きましたし。そういえば気になっていたんですが、序盤で川に流れ着いた死体が動いたりしてましたよね。その死体がまたキレイな身なりをしていて。幻想的なお話だなと思っていたんですが、あれはどういった着想があったのでしょうか。
益山 
昔、私の実家の隣の川によく死体が流れてきたんですよ。それを膨らませて。
__ 
あ、凄いですね。
益山 
子供の時下町に住んでいたんです。まあちょっと金持ちのあんまりいない、まあそういう空間だったんですよ。極貧じゃなかったんですけど、ちょっとさびれた。
__ 
ええ。
益山 
デパートとか行くと、金持ちの空間が広がってる訳じゃないですか。何だかんだいって、世の中はそういう感じで分けられていくんだなと思ってたんですよ。
__ 
それが作品の世界観のベースにあったんですね。王様が出てきたり。
益山 
身分制度が好きなんですね(笑う)。
子供鉅人2008年10月公演「電気女夢太る」
公演時期:2008年10月11~13日。会場:芸術創造館
カフェバー・ポコペン
益山さんの経営する谷町六丁目のカフェバー。

タグ: カーテンコール ユニークな作品あります 子供鉅人 世界観の作り込み


笑顔チーム

__
そこ(フリースペース)で上演した「ベビーブームベイビー」ですが、もう半年前になりますね。非常に、身体の強さを見せ付けられた作品でした。
四宮
とんでもない。
__
その中で、四宮さんが演じられた「エガオ」という役が非常に魅力的でした。本筋には明らかに関係のない役柄でしたが、あれはどういう過程で生まれたのでしょうか。
四宮
山崎が考えた一番最初の台本には、多分あの役はなかったんですね。実は作品を壊す形で生まれて来ているんだと思います。あの役があるおかげで、ストーリーが持つ二重構造の性格がさらにくっきり出たと思います。そういう部分が山崎さんらしいと言えるのかもしれません。
__
そうですね。
四宮
代わりに稽古場では苦労しました。笑顔と一緒に出てくる女の子とシーンのイメージを一致させるのが上手くいかなくて。笑顔チームって言ってたんですけど(笑う)、家族の話と関係が無いシーンをどういう風に提示していくのかと。
__
意識合わせが大変だったと。
四宮
例えば、演技の話だったらある程度経験を積んでいれば相手と演技を合わせる事は出来るんですけど、世界観とかそういうものはもっと話し合っていかないと駄目だったんですよね。そういう意思疎通の点では、もっとやっていけたかもしれませんね。と言って正解の無い、ただ良い方向へと向かっていく作業ですので、柔軟に話し合っていればもっと良かったかもと思います。
__
とにかく、役やシーンのあり方を言葉にしてみようという作業が必要、という事ですね。

タグ: 世界観の作り込み


vol.74 四宮 章吾

フリー・その他。

2006年以前
この人のインタビューページへ
四宮

他人も私も知らない私

___
宜しくお願いします。
よこえ
宜しくお願いします(笑う)。えー。何ですかね。
___
最近どうですか。
よこえ
あはは。何か、そういう出だし多いよね。
___
そうですね・・・。ええと、よこえさんは結構前にニットキャップシアターを辞められている訳ですけれども。
よこえ
すごく世界観が好きでそこでしてたんやけど。何か、やっぱりニットにいたころは、生かされていた感じがしていて。自分で生きてた感じがしなかった。自分が、ふやけてたから。そこは、ごまさんや劇団の凄いところだと思うんだけど、でももうちょっと一人で立てるように。ピンで立てるような役者にならんとあかんなと思ったわけです。いつか、もう一度、ニットの芝居が出来たらと思ったりしてます。好きですから。
___
それで、退団されたと。
よこえ
七月の雨垂事典でやった役も、ニットでは貰えない役だったと思うし。だから、そういう現場が外に出ると増えてくるんですよ。もちろん劇団にいても機会はあるんだけれど、私は甘えっこなので。関わった事のない色んな現場にいって、よこえとも子として立たんとなあと。
___
なるほど。よこえさんは、今後どんな感じで役者をされていくんですか?
よこえ
新しいものを発掘、ですね。変な話、私は自分を解った気がしていた上で演技をしていたと思うんですよ。でも、わからないもの、というか。例えば他人から見た私と、自分が知ってる私と、他人も知らない私と、他人も私も知らない私があって。そこいらを掘らなきゃいけないというのを凄く思うんですね。だから、その辺の作業をする事によって、新しい顔が生まれてくるんじゃないかと。
___
なるほど。
よこえ
私、今年からブログをやり始めたんですよ。他人に対して説明したりするのが抜け落ちてたり、自分から色々発信できてないなと、で、やり始めたんですね。日本語日記。自分の中にある言葉とか、自分が好きな言葉とか書くだけですけど。ちゃんと認識して吟味してから、体に落とさんとなーと。役者は歴史が勝負なのかなと思ってましてね。
___
歴史?
よこえ
その人の歴史ですね。重要じゃなかろうかと。
___
そうですね、その人の過去・来歴が人を形作っている訳で、それが舞台上で違う人間をやる訳ですから、これは凄い作業ですよね。
よこえ
人の歴史の中には苦手な事とゆうのも含まれてると思うんやけど、私にもそれがもちろんあって。今まで、自分に出来ない事を簡単に制限し過ぎてたのではとゆうふうに最近の生活で気付いたんよ。私は自分の好きな世界観だけでやっていた節があったから。それだったら、分かりやすい人間像しか演じられへんくなるというか。当たり前のことなんかもしれないんですが・・・言葉、変じゃないです?
___
分かります。輪郭のはっきりしている人間像も私は好きなんですけど、うーん。
よこえ
いや、私のゆっているのは、輪郭がはっきりしてないんですけど・・・型みたいなのを決めただけだと。カタチの型、ですね。そーいえば昨日、とある女性と喋ってて。
___
え?
よこえ
で、気持ち悪いと言われたんですよ。川本真琴の真似をしたら。やっぱり、よこえさんに似合わない事をしたから、気持ち悪かったわと。それは川本真琴の歴史抜きで形だけでしてたからなんですけど。役も一緒で、気持ち悪くならないようにやらなくちゃならないと。型でやってて、落ち着いてる。「軽く」ならないために、もっと自分の動きと本を模索していかなくてはと思うんですね。
てんこもり堂
ニットキャップシアター
1999年、劇作家・演出家・俳優のごまのはえを中心に旗揚げ。個性的な俳優陣と高い集団力をもってごまのはえの独特な世界観を表現する。
雨垂事典
関西人のネイティヴ言語である関西弁をベースに、笑いと、ほんわか人情話を提供する劇団。

タグ: 世界観の作り込み


vol.63 よこえとも子

フリー・その他。

2006年以前
この人のインタビューページへ
よこえとも子