無限迷路

__ 
いつか、どんな演技が出来るようになりたいですか。
真壁 
女性ですね。
__ 
というと。
真壁 
私の中で決定的に無い部分です。このひと、大人で女性やなっていう人の内側から滲み出る女性らしさ。包容力と言えるものかもしれないんですけど。ミジンコターボの解散公演でお母さん役だったんですけど、全く自分に無い部分なんで。めっちゃ色んな作品を見て参考にしました。お母さんといっしょとかも見てました。
__ 
なるほど。
真壁 
それがスッと演じられるようになるのは、いつなのかな。
__ 
その役を演じるべき役者、というのはどうしてもあると思っています。解散公演での真壁さんの王妃役は、正直、カジュアルな感じでしたね。
真壁 
お姉さん的な感じになりましたね。後悔はないんですけど、そこに関しては、自分としても納得のいっていない部分があります。色んな役をやらせてもらったんですが、上品さは掴めなかったですね。どうしても。元々体育会系でちょっとボーイッシュなところに行ってしまうので、それが違ったらどこに行こう、無限迷路をさ迷う感じ。
__ 
上品さ、ね。
真壁 
女の人として生まれたからには、一度くらいはそう思われるような芝居をしたいですね。

タグ: キャスティングについて 劇団のおわり いつか、こんな演技が出来たら ジェンダー・女性らしさ 女性的、それはなにか


vol.376 真壁 愛

フリー・その他。

2014/春
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真壁

野生に僕らは逆らわない

__ 
そういう意味では、「俺ライドオン天使」ではかなりスカッとしました。坂本さんにとってはどんな作品でしたか?
坂本 
楽しかったです。演劇って毎回、違う体験を得られるんですよね。退屈しないんです。例えば、キモオタが女の子のヒップラインを全身を使って見るシーンがあったんですけど、そこが僕の人生の中で5本の指に入る楽しさでした。彼とは「あなたが一番気を付ける事はなんですか?」「お尻を目で追いかける事です」「それは役者として役を演じる事以上に大切ですか?」「役者として役を演じる以上にお尻を目で追いかける事が大切です」こんなやり取りを30分くらいして、周りの人は全員引いていたんですけど、そういうコミュニケーションは大切にしたいです。
__ 
なるほど。しかし、過激な下ネタが予想されるチラシだったにも関わらず女性客が大変多かったですね。
坂本 
そうですね。もしかしたら女性的なのかな?意外と、男性より女性にウケるのかなあ?
__ 
小手先ではない品性下劣な下ネタを、もしかしたら女性こそ求めているのかも?
坂本 
ちょっと、話を聞いてみたいですね。次回公演はレディースDAYを作ってみたいですね。

タグ: B級の美学 ファンタジー 関係性が作品に結実する 役者に求めるもの 女性的、それはなにか 女性と下ネタ


冨士山アネット「Woyzeck」

__ 
今日はどうぞ、よろしくお願いします。村本さんは最近、どんな感じでしょうか?
村本 
冨士山アネットの「Woyzeck」にダンサーとして参加しています。普段はMOKKという自分の団体で自分の作品製作をしているんですけど。こういう外部出演の機会を頂くのは珍しいですね。
__ 
ちなみに、どんな経緯で。
村本 
シアタートラムでやった「SWAN」という作品から3回目の出演です。長谷川寧さんといると色々刺激を受けます。私を紅一点に選ぶとはまた、渋めのチョイスなのかなと。
__ 
いえいえ。魅力的でした。それ以外としては。
村本 
MOKKの他にも、アルゼンチンタンゴダンサーとしてクラスを持たせて貰っています。教え始めてからキャリアがある訳じゃないんですが、デモンストレーションやショー等もやっていますね。
__ 
そうなんですね。アルゼンチンタンゴ、実は初めて伺います。
村本 
メジャーとは言いがたいので・・・。でも、ヨーロッパでは結構流行していて、コンテンポラリーダンサーがタンゴをやる事も多いんです。これ熱く語りますけど、アルゼンチンタンゴは究極のコンタクトインプロなんですよ。初めて出会った男女が即興で踊り合うダンスなんです。凄いと思って、4・5年前にやり始めました。
__ 
初めて出会った男女でも踊れる!それは素晴らしいですね。
村本 
コンタクトインプロというと、初めての人はちょっと戸惑うんですが、リードする側とされる側という役割があって、基本的なステップさえ覚えてしまえば、どんな男声・女性とも踊れるんです。
__ 
何というか、色気を感じますね。
村本 
タンゴを踊り始めていくうちにかな。自分がダンサーとして出る時に、女性的な部分を求められるという事もあるのか・・・と気付いたんですよ。中性的な魅力を持つ方はたくさんいるんですが、いわゆる“女性的”なコンテンポラリーダンサーはあまりいらっしゃらないので。そういう需要として求められるのかなと。
__ 
色気って不思議ですよね。私の知り合いに、大変スタイルが良くて歌もダンスも上手いのに、色気が全く無い人がいて。
村本 
一方、可愛くなくて手足が短いのに得体の知れない色気がある人もいますよね。男女問わず、色気のある人がダンスもよかったりするんですよね。
MOKK
村本すみれを中心にメンバーは皆スタッフで構成される。日本大学芸術学部在学中の2002年に前身が発足。2007年『---frieg』より活動を本格化。クリエイターやダンサーとのコラボレーションにより、「劇場機構にとらわれない空間からの発信」を軸とした活動を行う。また、駐車場やビル、コンテナボックスなど、特異な空間で身体表現の可能性を探る実験企画MOKK LABOや映像作品なども 企画製作する。(公式サイトより)
冨士山アネット
2003年活動開始。類稀な空間演出と創造的なヴィジュアル、身体性を強く意識したパフォーマンスにて創造的な空間を描き出す。近年は、戯曲から身体を立ち上げるといった、ダンス的演劇(テアタータンツ)という独自のジャンルから作品を制作。(公式サイトより)
冨士山アネット × 冨士山アネット/Manos.(マノス) [Woyzeck/W]
公演時期:2013/9/13~23(東京)、2013/9/28~30(京都)。会場:こまばアゴラ劇場(東京)、アトリエ劇研(京都)。

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質問 高橋 志保さんから 春野 恵子さんへ

Q & A
__ 
前回インタビューさせて頂きました、高橋志保さんから質問を頂いて来ております。「表現活動を続けていくと、同世代の人がどんどん辞めたり変わっていったりします。それでも続けていく中で、持ち続けたいポリシーはありますか?」
春野 
この歳で私、浪曲界のぺーぺーなんですよ。どんなに下手くそでも、一生懸命やっていれば何とかなるだろうという・・・ある意味低い志で始めたんです(笑う)。でも、浪曲に出会った時に、「私は、これを一生続ける」という決心で入ったんです。
__ 
そういうものに出会えるのはとても幸せな事ですよね。
春野 
そういうものに出会わないうちは、自分の人生は始まってもいないし、生き始めてもいないんじゃないかって思っていました。何も知らない世界に飛び込むのも無謀だとは思うんですけど、でも、そこまで散々悩んで来ているから。出会えるのも稀ですからね。だから、ずっと続けていこうと決心しました。
__ 
素晴らしいと思います。
春野 
それに、出来なくて当たり前・一生続けていれば何とかなる、というぐらいから始まっているので。だからこそ、応援して下さるお客様を裏切れないし、人並み以上にお稽古しないといけないんです。・・・幸せな事に、浪曲の世界に入って、「私には違うかも」って思った事が一度たりともないんですよ。
__ 
それは素晴らしい。しかし、一生のものに出会えるのがまず奇跡ですね。
春野 
母の育て方があるかもしれませんね。母は、「女性らしく結婚しなさい」とか、「子供を産みなさい」とかはあまり言わないんです。自分の一生を賭ける仕事を見つけなさいって言ってくれたんですね。まさか、浪曲師になるとは思わなかったでしょうけど(笑う)。
__ 
大変でしょうけど、仕事が楽しいというのはとても幸せですね。
春野 
やりがいがありますよね。だから、もう少し上手くなりたいですね(笑う)。私の場合は全然出来ないところから始めたので。お客様も「上手になったね」って仰って下さるんです。最初に比べてこんなに伸びてます!って感じかな(笑う)。
__ 
お客さんも、そういう成長ってとても嬉しいと思いますよ。次の質問です。「2.表現活動をやめる事について、考える事はありますか?」
春野 
才能ないんだろうなあと考える事はあるんですけど・・・でも、無くてもがむしゃらに努力するタイプなんです。才能ある人だけしかやっちゃいけない訳でもないと思っています。
__ 
どのようなパフォーマンスを発揮出来るかは、才能とか頭の良さだけじゃないですからね。
春野 
結局は結果を出さないといけないというのはあると思うんです。だけど、私は誰かの評価よりも自己評価を大事にしているんだと思う。どんな風に頑張ったか、どれだけ上の段階に進めたか。誉められても、自分の中でだめだったら「もっと頑張ろう」と思うし。そこに重きを置いてるからこそ、やっていけるんだと思いますね。
__ 
なるほど。
春野 
簡単に納得できるタイプじゃないし、不器用なんです。でも、だからこそ面白いんだと思うんです。積み重ねていって、変わってきてると思います。ずっと続けていきたいですね。

タグ: 一生懸命を描く その人に出会ってしまった ジェンダー・女性らしさ 家族という題材 女性的、それはなにか


vol.217 春野 恵子

フリー・その他。

2012/春
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春野

性別のない感じ

__ 
BABさんとは、結構久しぶりにお会いするんですけど、以前の少年的な印象は薄くなりましたね。何だかすっかりお母さん的な。
BAB  
体型的に少年だったしね。小学校の頃、女の子が自分の事を「僕」って呼ぶ事あるじゃないですか。私がそうでした。私って言うのが何か恥ずかしくて、気持ち悪くて。どうしても、スカートとか履けなかったですね。
__ 
その抵抗が薄くなったのは。
BAB  
大学入ってからですかね。何か、女の子がやってる事が恥ずかしかったんですよね。何でしょうね。でも、性別のない感じというのが居心地がいいですね。
__ 
性別がない時代が来るといいですね。
BAB  
そう思われますか。
__ 
個人的に、結構意識するんですよ。特に、女だからこう、みたいな。もう全て植付けなんですけどね。女性からは、面白さが生まれないみたいな思いこみが。そんなの、面白さそのものに男性性を反映してるだけの思いこみに過ぎないんですけど、なかなか脱却出来なくて。
BAB  
私は、男性・女性っぽすぎる人が苦手で。きっと、話が合わないからです。だから、身の回りには中性的な人が多いです。
__ 
2010年にインタビューさせていただいた、サンプルの松井周さんが、男性らしさと女性らしさの間に引っ張られている人が好きだとか仰ってましたね。

タグ: ジェンダー・女性らしさ 男性性とは何か 性別と演劇についてのイシュー 女性的、それはなにか


「どくはく」

__ 
さて、一人芝居フェスでの「どくはく」。大変面白かったです。
大西 
いやー。がっさがさの声で・・・。すみません。
__ 
いえいえ、あのハスキーボイスが良かったと思います。
大西 
みなさん慰めのようにそう仰ってくれるんですよ。申し訳ないです。
__ 
あれはシチュエーション的に、大西さん演じる袖にされた女が、浮気している彼氏に、既に怒鳴った後だと思っているので。あそこで声が枯れていたというのは正しかったと思います。
大西 
ありがたいです。皆さんそう思っておいて下さい(笑う)。
__ 
浮気されている女でしたね。
大西 
私の中にもある気持ちだったんですよ。でもそういう役はやったことが無くて。脚本を見たとき、これが来たか!と思いました。
__ 
演出の上原さんは大西さんのずば抜けた身体性を生かして、内面からわき出る怒りをそのまま表現したかったと言ってました。
大西 
そうなんですか? ずば抜けた身体性?日呂さんは直接ぜんぜん誉めてくれません(笑う)。男性にしたら、あの役はめんどくさい女だなと思われるんじゃないかって思ってました。
__ 
面白かったですよ。あの「袖にされている」というのは誰の心にも生まれる気持ちだと思うんですよ。大西さんみたいな女性的な人が、恋愛というドロドロした関係性を通して、人間性を突きつけた作品だと思っています。何だろう。暗い失恋ソングを聞いて、癒されるみたいな感じですよね。
大西 
良かったです。もう一度、やりたいですね。
__ 
いいですね。もう一回、じっくり見たいと思います。
「最強の一人芝居フェスティバル」INDEPENDENT:11
公演時期:2011/11/24~27。会場:in→dependent theatre 2nd。
「どくはく」
出演:大西千保×脚本:玉置玲央(柿喰う客)×演出:上原日呂(月曜劇団)。

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面白いということって

__ 
私が最初に見たトリコ・Aの作品は、「肉付きの面 現代版―絵―」でした。それからは断続的に拝見しています。凄く好きなんですよ。
山口 
そんなー。ありがとうございます。そう仰って頂けるだけで。
__ 
いえいえ。ぜひ伺い事があるんです。私はトリコ・Aの作品を拝見する度に、「男性らしく・女性らしく」という意味でのジェンダーを強く意識するんですが・・・
山口 
それはもうちょっと詳しく聞きたいです。
__ 
私が勝手に思っているだけの事かもしれませんが、何だか演劇で受ける面白さの根元って、いわゆる男性的な攻撃的発想からくる事が多いんじゃないかなと思うんです。これはもちろん、実際の性とはあまり関係なく、文化的な役割としての男性性で。一方トリコ・Aの作品は豊かなイメージがあって、それが女性性的な印象があります。たぶん、論理的にユーモアを作り出していくんじゃなく。
山口 
ええ。
__ 
だから、最初に反発が自分の中に立ち上がる事もあるんです。ラストに近づくにつれて、良さに転化していくんですけど。面白さを定義づけて構築する余裕よりも、良さを生み出す力強さを感じる。
山口 
私は自分の作品を、女性的なものと言うよりは、未熟だなあと思っています。その未熟さの事を女性的であると言うならば、私はその女性的な部分を良いとは思わない。それに、私が常々感じる面白さは、その男性性的な面白さなんですよ。・・・昨日、子守歌代わりに「笑の大学」のDVDを見たんですけど、めっちゃ面白かったんです。ああいうのを見ると私にはとても真似出来ないと思うんですが、でもこういうレベルにまで行きたいとも思うし。
__ 
はい。
山口 
未熟であるが故の訳が分からなさには、安住したくないです。
__ 
いや、感性に訴えかける作品と、「せりふのないガラスの動物園」のように構成の強い作品もあって、何か意識されてるんじゃないかなと思っていました。あれは、本当に「男性性的な」面白さがあったと思う。
山口 
えー。ホンマですか。無意識ですね。明確に分けてないです。
__ 
そうなんですね。意外です。「ガラスの動物園」は本当に面白かったです。最初は脚本のシーンをダンスで表現したコンピレーションかとかと思わせておいて、徐々に物語りが姿を現して、最後は会話劇が展開するのはゾクゾクしました。
山口 
ありがとうございます。そう仰って頂けて。頑張ります。
トリコ・A「肉付きの面 現代版―絵―」
公演時期:2004/8。会場:アートコンプレックス1928。
トリコ・A「せりふのないガラスの動物園」
公演時期:2010/7/3~4。会場:アトリエ劇研。

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団地妻について

__ 
おじさんに興味があるとの事でしたが、女性についてはどう思いますか?
合田 
おばさんという事ですか?
__ 
いえ、女性の好き嫌いですとか、女性の性的魅力であるとか。
合田 
いや、ネットに載せられない事しか言えないので・・・でも、女性で面白い人ってあんまりいないですよね。
__ 
うーん、「面白さ」が、さっき言われたように「新鮮さ」「意表を突く」と切り離せないのであれば、やっぱり女性性とは結びつきにくいのかもしれませんね。宇宙のロマンとか、過去の歴史ミステリーとか、男性性だと思うんですよ。
合田 
女性はもうそれだけで宇宙ですからね。そんなのに構ってられないでしょう。オシャレしたり、恋したり忙しいですよ。
__ 
女性は嫌いですか?
合田 
いえ、好きですよ。ネットラジオでずっと、そういう事言うてますもん。
__ 
あ、「団地妻撲殺ラジオ」ですね。
合田 
そうです。中学生の頃の同級生とやってます。
__ 
いいネーミングですよね。団地妻も撲殺も、まったくリアルじゃないのに血生臭い。
合田 
今日び、団地妻なんて聞かないですしね。団地妻なら撲殺しかないでしょう。

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