ドラキュラに狙われちまったあの子を救うために白井宏幸が出来る唯一の方法

__ 
さて、エリーの晩餐会という集まりがあるそうですが、これは。
Arry 
簡単に言うと宴会なんです。「出会わなければ演劇人は始まらない」というコンセプトの元、とりあえず飲もう!と。
__ 
あ、そのままなんですね。
Arry 
数年前は東京で不定期に開催していたんですが、昨年は大阪を中心に開催しました。LINX'S TOKYOに参加したこともあって、ステージタイガーさんとか劇団ZTONさんとかとも仲良くしていただけて…。関西の演劇関係者ともそれなりに飲み会を重ねることが出来ました。結果、そんな大阪のエリーの晩餐会から派生して生まれたのが、先日のindependentの一人芝居フェスの白井さんの作品です。
__ 
あれについても伺いたいです。
Arry 
自分の本拠地、つまり劇団エリザベスですね、そこでは絶対にやらないものをやりましょうというコンセプトで創りました。とても楽しかったです。
__ 
相手の女の子の事など一切考えず、恋と性欲のままに突っ走る作品でしたね。プロレスして出血もするし、久しぶりに勢いのあるお祭り騒ぎ芝居を拝見しました。
Arry 
(笑う)
__ 
私が拝見した回は他にコロさん・隈本さんの、自分の道に殉じる男がテーマの作品でした。3連続で見ると壮観でしたね。
Arry 
エリザベスの作品は基本的にはラブストーリーだったり、女の子のお芝居だったりするので、あんな下ネタまじりの作品は書いたことがありませんでした。なので、そういった自分の道に殉じる男が描けていたと思って下さるのはありがたいです。
__ 
劇団エリザベスでは、これまでやってこなかったし、今後も絶対にやらない、そんな作品。
Arry 
そうですね、絶対にやらない、やれない作品です。脚本を劇団員に見せたときに、面白いですけどエリザベスではやらないでください、と言われてしまいましたしね。…あの脚本についてですが、開き直って言うと、何も考えてないです。あのイベントは俳優のフェスティバルだと思うんですよね。白井さんにしかなりえない、白井さんがやってこそ輝くもの。あの作品が観客投票で一位になったのは、白井さんの事をみんな好きになったからだと思うんです。あんだけ変態な事をやっておいて人気が出るのは白井さんだからなんじゃないかな。あと、タイトルが長いのも、見ている側が入り込みやすいものは何か考えた結果ですね。タイトルに意味深なこと書いちゃって、お客さんに余計なこと考えて欲しくない。
__ 
なるほど。最初に手の内を晒されたという感覚は確かにありましたね。しかも開始6分あたりで、女の子に謝罪し始めるじゃないですか。あれが素晴らしかったです。観客の機先を征するかのように「警察は勘弁してください」「もうストーカーはやめます」とか言い始めて。これは一筋縄ではいかない脚本だなと思いましたね。
最強の一人芝居フェスティバル“INDEPENDENT:14”
公演時期:2014/11/27~30。会場:in→dependent theatre 2nd。

タグ: イベントの立ち上げ 孤独と演劇 ラブストーリー 一人芝居 タイトルの秘密 飲み会結成 自分は何で演劇を 女性と下ネタ


夢子 
がっかりアバターの下ネタについて、もう少しお話しておきたくて。本当に下ネタはカツオブシ程度で、下ネタを扱っている事でちょっと笑われたりされるのは何か違う気がするんです。下ネタをあざ笑うという事は、自分の性をもあざ笑う事なんじゃないか。性はネタではなくて、生きる上で欠かせない事なんですよ。
__ 
ええ。
夢子 
生を生む為の性。その生も性を持っている。とても重要な事なんですよね。
__ 
茶化したくない?
夢子 
したくないです。性にウソはないじゃないですか。好きな子の前で勃起したり濡れたり、そういう反応は演技出来ない部分だと思う。そこを包んでネタにしてしまう部分が、がっかりアバターにはあるのかなと思います。でも「がっかりアバター=下ネタのとこやろ」と言われると、ちゃうわ、と思います。気になってくださる部分としては必要だと思いますけど。
__ 
実は私こそが、「がっかりアバター=下ネタ」で興味を持った部分もあって。でも、がっかりアバターの下ネタにとても切実なものを感じていました。あのとんでもない登場人物達が、その苛烈な生を全うする上で必要としていた性、が、放つ濃い匂い。今回はその中心部に何があるのか踏み込むという感じなのかな。
夢子 
あ、そう、twitterの感想で書いて下さいましたよね。切実って。嬉しかったです。

タグ: ウェブ上の感想 感想がトシと共に変化していく 自分の演技を客観的に見る 下ネタを考える 女性と下ネタ


野生に僕らは逆らわない

__ 
そういう意味では、「俺ライドオン天使」ではかなりスカッとしました。坂本さんにとってはどんな作品でしたか?
坂本 
楽しかったです。演劇って毎回、違う体験を得られるんですよね。退屈しないんです。例えば、キモオタが女の子のヒップラインを全身を使って見るシーンがあったんですけど、そこが僕の人生の中で5本の指に入る楽しさでした。彼とは「あなたが一番気を付ける事はなんですか?」「お尻を目で追いかける事です」「それは役者として役を演じる事以上に大切ですか?」「役者として役を演じる以上にお尻を目で追いかける事が大切です」こんなやり取りを30分くらいして、周りの人は全員引いていたんですけど、そういうコミュニケーションは大切にしたいです。
__ 
なるほど。しかし、過激な下ネタが予想されるチラシだったにも関わらず女性客が大変多かったですね。
坂本 
そうですね。もしかしたら女性的なのかな?意外と、男性より女性にウケるのかなあ?
__ 
小手先ではない品性下劣な下ネタを、もしかしたら女性こそ求めているのかも?
坂本 
ちょっと、話を聞いてみたいですね。次回公演はレディースDAYを作ってみたいですね。

タグ: B級の美学 ファンタジー 関係性が作品に結実する 役者に求めるもの 女性的、それはなにか 女性と下ネタ


泣ける下ネタ

__ 
結局下ネタが入るというのは、失敗ではないのですか?
西  
前回公演の「キャプテンクトゥルー年代記」では、最初はナシで行こうとしていたんです。でも、途中からすごく遣る瀬無い気分になってきて。結局は「泣ける下ネタ」を目指していました。
__ 
泣ける下ネタ! 最高じゃないですか。
西  
下ネタには、まだまだ可能性があると思うんです。
__ 
WillBeの作品「猫型ロボット」を拝見したんですが、よく西さんが舞台上でオナニーシーンを見せていましたよね。TENGAを使った。もちろんギャグとして、笑い易いようにして。男性の内向きの性欲が強烈に切り出されていたように思います。西さんにとって、下ネタはどのような存在であって欲しいのでしょうか。
西  
人間性を極端に表現する有効な方法だと思っています。僕はここまでさらけ出しました、もう丸腰です、かかって来なさい、そう叫ぶような表現です。
__ 
「猫型ロボット」では、西さんはTENGAをご自身の周囲に並べて叫んでいましたね。お尻を出しながら。当然、露出狂的な快楽とは違うと思いますが、では、舞台上で精神的にも肉体的にも裸になる事についてはどのように思われますか?
西  
実は、ちょっと性描写は苦手なんですよ。
__ 
ええっ。
西  
今は分からないですが、客席から見ていて、舞台の上の人が裸になると凄く生々しくて、直接的で、引くと思います。それは、僕の中に性描写についての文法がないからなんですが、「本当に?」って思っちゃうんですよね。
__ 
というと。
西  
それが本当に人間なんだろうか、って思うんです。セックスは人間性からは独立した現象なんじゃないか。アプローチとしての下ネタの方が、人間性を表現するのに適切ではないだろうか、って。
Will Be SHOCK Entrance Gate「さらば彼女の愛した海底都市 或いはキャプテンクトゥルー年代記」
公演時期:2011/2/12~14。会場:京都市東山青少年活動センター創造活動室。
Will Be SHOCK Entrance Gate 3rd OPEN「猫型ロボット~青いベストフレンドの伝言~」
公演時期:2009/6/12~14。会場:人間座スタジオ。

タグ: 性欲 世界がズル剥け 下ネタを考える 女性と下ネタ