体を酷使した日々

__ 
ちなみに由良さんはカポエラをされてますよね。プロレス公演でやってましたよね。意外でした。
由良 
京都駅の近くの道場に通っています。本部はブラジルにあるんです。結構由緒がある道場なんですよ。向こうの世界にはものすごい人がいっぱいいて、同じ人間とは思えない動きをするんですよ。
__ 
おお。
由良 
僕らの所属してるグループを経営している人、つまり僕らの師匠の息子さんが、去年アゼルバイジャンで行われた世界大会で優勝したんです。
__ 
凄いな。私、カポエラの事は知らなかった。
由良 
組み手の中で、動きがシンクロした時が凄いですね。上手な人がやると踊っているように見えるんです。
__ 
役者として、これまでの内閣の公演で、苦労したのは?
由良 
舞台上で苦労したことはあまりないですね。3年前、初めてプロレスをやったんですけど、ほんとに体を酷使するんですね。五体満足で帰れるんだろうかとピリピリして、観客の目線を気にする余裕もなかったです。それ以来感覚が麻痺したみたいになって舞台でプレッシャーを感じることがなくなりました。失敗しても怪我をする訳じゃないので。それよりもコミュニケーションで苦労したり失敗することが多いです。子どもの頃から本当に人と話せなくて、今まで散々人に怒られてきたので何とかしたいです。昔に比べたらこれでもまだマシになった方なのですが、なかなかうまくいかないですね。役者として以前に人としてどうなんだろうと、いつも悩んでます。

タグ: 稽古とコミュニケーション能力 舞台にいる瞬間 外傷・内傷


OUT

__ 
幸せになりたいと思った事はありますか?
宮階 
会いたい人に会えて、やりたい事がやれる事じゃないかな。かつ、一人になる事も出来て。それらの活動が命を脅かされない事。
__ 
今は、それは出来ていますか?
宮階 
今は命を脅かされていないんですが、最近起きた北朝鮮の政治家の粛清を見て、ちょっと吐きそうになって。物凄いひどい殺され方をしたらしいんです。同時代でこんなおそろしい事があるのかと。私、中世の魔女狩りが今行われたらどう考えても真っ先にOUTになるんですよ、どう考えても。そういう時勢になったらすぐ海外に逃げられるように今人脈作りをしています。バカバカしいかもしれないけど。
__ 
いえ、バカバカしくないです。それが正解だと思います。何故って、日本も言論統制が強くなっていくんですから。左派・右派ともにその方向をとりがちなんですよ。それも感情的に。それはもう、逃げるしかないです。
宮階 
今動いている世界の感じからして、動いておいて損はないと思う。単純に海外に行くことも好きだし。つい先日もバンコクで、国際エイズ会議でパフォーマンスしてきました。めっちゃ受けたんですよ。

タグ: 人脈・コネクションの大切さ 境界を越える・会いに行く 遠征公演 多方向に興味あり 有機的に関わりあう 自由自在になる 政治とパーティー 外傷・内傷


vol.333 gay makimaki

カウパー団。

2014/春
この人のインタビューページへ
gay

脱臼/村のアホウ者

__ 
風営法について。東京都の条例で、夜12時以降のクラブで客のダンスが違反になりましたね。その他にもタバコや風俗など、社会から遊びの部分がどんどん排除されていく、とてもヒステリックな世の中だと考えておりまして。それは公的な機関による圧力から、次は民意―大衆の暴力に移行していくだろうと。当然、表現の方にもそうした圧は及んでいくと危ぶんでいるのですが、宮階さんはどう思われますか?
宮階 
絶対良くないと思います。だってそれは、いまいる者を殺していく事でしょう。人殺しとほぼ一緒なんですよ。
__ 
そうですね。
宮階 
何によっての殺人かというと、動機は嫉妬、そして寂しさだと思っているんです。
__ 
寂しさ?
宮階 
例えば、今晩は大阪のヘイトスピーチのカウンターデモに行ったんですが、彼らは誰一人として強そうな人はいなかったんです。てっきり、怖そうな人がオラオラ叫んでいるかと思っていたら、なんかショボショボっとした人ばかりで。拡声器があるからようやく大きな声で「死ね」と言える。外に出てきたネトウヨを見ていて、なんか怒るというよりは、哀れだと思ったんです。彼らも、本当はしんどいんじゃないかと。そのしんどさの理由は韓国人や中国人や在日等の存在なんかじゃなくて、彼らの主張が「違うよ」と言ってもらえる人間関係がない事なんじゃないか。それはとても寂しい事で。親でも兄弟でも友達でも。
__ 
本当に宮階さんにお話を聞けて良かった。
宮階 
いえいえ(笑う)
__ 
私も少し前までネトウヨが嫌いだったんですよ。一見、頭ごなしのバカなポジショントークのように見えて、実は幼稚な感情論が底にあるところが。でもそれって、カウンターデモ側にも同じ状況があるんじゃないか?ネトウヨを攻撃する事で得られる達成感は、ネトウヨのそれとどう違うんだ?と。
宮階 
カウンターが発する罵声というのは、声の大きさや言葉にもよりますが、暴力性とはまた文脈も意味合いも違うと私は思っています。でも、私は個人的に怒鳴ったりは出来ないんですね。私はヘイトスピーチ側にもカウンター側にも、もちろん意思はカウンターですが、存在としては離れ小島や、村のアホウ者でいたいと思っています。
__ 
離れ小島。
宮階 
ヘイトの中にいるけれども「もう嫌だ、ここから出たい」と思ったら、意固地にならずに逃げていいと揺らいでいいと思える例として。そんな離れ小島。現場では、ヘイトとカウンターは対立する形で離れているんですね。間に警察がいて、カウンター側を睨んでいる。どちらも怒鳴っている。
__ 
ヘイト側もカウンター側も、どちらも相手を倒すために来ている訳ですからね。お互いを人間だと思えないぐらいの勢いで。
宮階 
私はそこで奇襲作戦を取るんですよたまに。
__ 
おお。それは。
宮階 
ある時のヘイトスピーチの現場では、人が沢山いるなかで、生け垣だけ誰もいない。そこで2リットルの水を撒いて水を差すというパフォーマンスをやったら警察に引きずり降ろされそうになって、すぐ引き上げました。大阪では、ヘイトスピーチ側では彼らの子供が壁になってたんですよ。サッカーのフリーキックみたいに。そんなの、もの凄く悲惨でしょう。私は怒鳴っている人たちの間で、ずっと道に迷ったフリをしていました。電話しているフリをしながら。みんな、ポカーンとして見ていて。
__ 
なるほど。
宮階 
私は脱臼させに行くんです。今日も大阪でやってきました。ヘイトスピーチ側が拍手して盛り上がっている時に風船を割ったんです。パーンって。警察に「ビックリするやろ」って言われて、「出て行けとか言われた在日の人たちの気持ち考えた事あんの?びっくりどころやないでしょう?」って言ったら「まあ、まあ」って。
__ 
なんかいいですね。というか、「水を差す」ところから回を重ねる毎に面白くなっていっていますね。
宮階 
遊び場なんです、私にとっては。乱暴に言ってしまうと。差別のような醜悪なものに、どの生命も削らせたくない。私にとっての怒りの変換です。有効な電波障害をしようと。
__ 
というより、そうなるべきなんです。あんなバカバカしい場だからこそ芸能が何かの役割を持ちうるでしょうね。
宮階 
彼らヘイトスピーチが掲げているスローガンは醜悪で、聞くに耐えない。当事者に矢面に立たせたくない。ばかばかしさをもってヘイト側に反射したるねん、て思います。出来るかわからないですけど。

タグ: 幼稚さについて 凶暴な役者 ヘイトスピーチ 生き方と世の中の為に動く 嫉妬心 「目の前で起こっている」 心を揺さぶる 正体不明のエネルギー 暴力 外傷・内傷


vol.333 gay makimaki

カウパー団。

2014/春
この人のインタビューページへ
gay

踊る影たち

__ 
構成として、最初はアップテンポなダンスがあって、そこからだんだんと静かなシーンが増えてきて、ソロダンスのシークエンスになっていって、という流れでしたね。「家庭」というテーマを与えられた作品だったからか、家庭内孤立を強くイメージしました。家庭内だけどだんだんと離れていく。しかし、赤ちゃんの誕生で後半にはまとまっていく。
北尾 
大まかにいうと、その前中後編の構成が「1.2.3」のイメージなんです。前半ではキャラクタライズがあり、集団性を描いて、HIPHOPのシーンで情報量と運動性の強いダンスを見ていただき、そこからソロのダンスに移行していく。孤立している人が見えてくる。この流れをイメージして作り始めました。
__ 
そう、集団で集まっているところから、だんだんと一人離れていく。
北尾 
一年に一度、大阪の実家に親戚一同で集うのが僕にとっての団らんなんです。この作品のタイトルを考えていた時期、祖父が亡くなって家を取り壊したんです。集まれる場所が無くなったということに喪失感を感じました。あの家が僕ら親戚をつなぎ止めていた場所だったんです。それを抽象的に表現したかったんですね。
__ 
私個人の親戚たちも実は結構ドライな人々なんです。なのに、作品を通してある寂しさが生まれましたよ。
北尾 
当初は家族が離散する、みたいなイメージで作っていましたが、それではさすがに寂しすぎるなと思いまして。3ステップ目では全員集うという構成になりました。ですが最後には、赤ちゃんの代わりとして扱っていたシャツを「シャツなんですけどね!」と暴きました。彼らが家族みたいな事をしていたと、全て嘘だと、1ステップ目のキャラクタライズも含めてメタフィクションだったとバラして。そこから、全員がもつれあいながら同じ振りを踊るラスト。現代社会において家庭から出た人々の混迷を見せられればいいなと思っていました。動かされているのか、もつれているのか分からない、家庭の外に出た人々ですね。
__ 
それは、都市部にいる大体の若者がそれに当てはまる筈です。だから、あれは僕らそのもののダンスだったんじゃないかなと思います。

タグ: 人生の節目 メタフィクション その題材を通して描きたい 第四の壁 外傷・内傷


!!!coming soon!!!

__ 
2011年は色々起こりすぎでしたね。災害もあったり、国際情勢も無茶苦茶動いたし。BABさんはこの一年、いかがでしたか?
BAB  
結婚して子供も産んで、新婚旅行も行ったり。本厄だったのに全部やりました。中々めまぐるしかったですね。
__ 
芝居も出てましたしね。
BAB  
4月以降は出てないですよ。さすがにお腹が大きいと無理出来なくて。子供鉅人の舞台は出演したら必ず怪我するし。だから、危ない。
__ 
あはは。
BAB  
と言いつつ、原宿でやったプレイ小屋では半裸で踊ってました。お腹にcoming soonって書いた紙をはって。
__ 
マジですか。
BAB  
あのとき妊娠9ヶ月だったかな。直前でした。
__ 
coming soon。言葉はあれですけど、悪趣味でいいですね。
BAB  
妊婦の身体って、エイリアンみたいで気持ち悪いですよ。見せられる人ってどうなのかなあと。
__ 
今年はどうしますか?
BAB  
子供がいるからねー。サポートしてくれる人がいればなあ。母乳なので、常におっぱいをあげる体勢が整っていれば。
__ 
授乳の為に舞台からハケられればいいですね。
BAB  
あるいは、舞台上に連れていくか。子連れ狼みたいに。
__ 
なるほど。お子さんは可愛いですか?
BAB  
可愛いですね。そりゃ可愛いですよ。

タグ: 結婚したら・・・ 悪意・悪趣味 外傷・内傷