役者がいてこそ

__ 
いつか、どんな演劇が作りたいですか?
戒田 
緒形拳と芝居したいと思ってたんですが亡くなりましたしね。高倉健も亡くなりましたし。菅原文太も。立て続けでしたね。一気に時代が終わろうとしていますね。でも、やっぱり役者かな。
__ 
役者。
戒田 
劇団員もグイグイ成長していってくれて。世間的に評価が高いというよりも、僕がワクワク出来る方ともっと出会えて、一緒に作品が作れたらなと思います。出不精で、そんな努力をしているかと言われると・・・ですけど。
__ 
でも、役者にこだわっているんですね。
戒田 
役者と一緒に舞台を作るのでなければ、家で小説書いている方が楽ですからね。
__ 
演劇とは作り手にとって効率の最も悪いメディアでありながら、観客からすれば最も効率の良いメディアとも言えると思います。戒田さんは何故、演劇にこだわっているんですか?
戒田 
一番、手になじむからです。若いときに美術部、文芸部、バンドと色々やってみたんですが、一番手になじむのは演劇でした。続ける理由は特に必要ない。
__ 
役者と一緒に作品を作る。出来るだけ、良い作品を作る。
戒田 
そうですね、役者さんと一緒に新しい風景を作りたいです。人が変わればまた違う風景になりますしね。人が変わらなくても、例えば今回主演の上原君とは6年振りなんですけど、もの凄く巧くなってるし。実は劇団員の誰よりも付き合いが長かったりして。どういう経路を辿って成長してきたのかが、稽古を通して見えるような気がして。長い間続けている甲斐があるものだと思いますね。
__ 
つまり、上原さんのこれまでの全てが見れるかもしれない。
戒田 
と、思いますね。

タグ: いつか、あの人と 作家の手つき


kamehous8suohemak / 疵痕

亀井 
今回の作品は、凄くコラージュ的な手法を多用しているんです。スタッフにわがままを言ってまして、絵描の人を読んできて、パネル一枚一枚に何か描いて舞台上をコラージュしてほしい、とか、美術さんに出ハケや動線を考えない、美術作品を作って欲しい、とか言ってるんですよ。音響さんにも、全部、僕が範疇を越えたところをお任せしているんです。今回はそういうのが、新しい実験かなと。逆に、スタッフの皆さんはどうしたいのか。それを繋ぎ合わせるという事をしています。美術プランが出来上がったら、また演出も変わると思います。照明の当て方、音響の設置、どんどん変わっていくんですよ。そういう変化がとても楽しみです。
__ 
とても楽しみです。見るのにかなり、精神的な体力を使いそうですね。
亀井 
多分、見終わったらぐったりすると思いますよ。

タグ: 作家の手つき


京都に残る

__ 
勝二さんが演劇を始めた経緯を教えて下さい。
勝二 
中学の頃、それまで取り柄がなかったんですが、文化祭で舞台に立ったら認められた感があって。高校で演劇部に入ったんですが、それが30何人も部員がいる強豪だったんですよ。何となく始めたハズだったのに、熱心にやっている人もいて・・・高校の有志が集まって年度末に公演する劇団もあって、そこに参加していたら面白いなとなってしまって。大学で京都に来たんですけど演劇部が合わない感じがして入らなかったんですけど。
__ 
なるほど。
勝二 
で、ニットキャップシアターの「愛のテール」をアーコンで見たんですけど、それが衝撃で。京都にもこんな演劇がやってたんだ、と。それからごまのはえさんやハラダリャンさんのWSを受けて、しばらく京都に残ろうと思いました。それまでは実家に帰ろうぐらいに思ってたんですけどね。ハラダリャンとも出会って、テンケテンケテンケテンケを旗揚げして活動していました。7回公演までやってましたね。
ニットキャップシアター
京都を拠点に活動する小劇場演劇の劇団。1999年、劇作家・演出家・俳優のごまのはえを代表として旗揚げ。関西を中心に、福岡、名古屋、東京、札幌など日本各地で公演をおこない、2007年には初の海外公演として上海公演を成功させた。一つの作風に安住せず、毎回その時感じていることを素直に表現することを心がけている。代表のごまのはえが描く物語性の強い戯曲を様々な舞台手法を用いて集団で表現する「芸能集団」として自らを鍛え上げてきた。シンプルな中にも奥の深い舞台美術や、照明の美しさ、音作りの質の高さなど、作品を支えるスタッフワークにも定評がある。(公式サイトより)
ニットキャップシアター第13回公演 スロウライフとことこ vol.3「愛のテール」
公演時期:2003年7月12~17日。会場:アートコンプレックス1928。

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vol.397 勝二 繁

フリー・その他。

2015/春
この人のインタビューページへ
勝二

風が吹いている

__ 
最近の、芝居を作る上での気づきがあれば教えてください。
作道 
舞台の上手と下手で、どれだけのバランスでコトを起こすといい流れが起こるか、という事の重大さに気づきました。やはり風みたいなものが下手から上手に吹いていて、それを舞台上でどうかき乱すのかを考えるのが脚本家の仕事なんじゃないかと思うぐらい。あとは役者さんが、稽古場でその起こし方を獲得すると、とりあえず面白いものが出来るという重大さ、ですね。
__ 
ありがとうございます。いつか、こんな作品が作りたいというのはありますか。
作道 
昔の映画なんですけど、「素晴らしき哉、人生!」という映画がありまして。僕はあれが泣いてしまうぐらい好きなんですけど、舞台を現代に置き換えてやってしまうと凄く嘘っぽいんですよ、きっと。さんざんやり尽くされている手法ばかりになってしまうんです。だから何らかの方法を考案して、誰にも気づかれないぐらい現代版として洗練された「素晴らしき哉、人生!」をやるのが夢ですね。

タグ: いつか、こんな作品を作りたい 作家の手つき


静けさ

__ 
「愛はないと僕は思う」。次回公演のタイトルですが。4月4日からですね。とても楽しみです。
FJ 
ありがとうございます。
__ 
私はこの作品の前進となる「お母さんとファック」という作品をgate#9で拝見しました。会場は、同じKAIKAですね。あの作品は、一人語りそのものを高度に洗練したらどうなるかという文学的な実証であったかもしれないと考えています。
FJ 
洗練。
__ 
語る時のファックさんの身体がとても純粋だったと思うんです。ご自身の半生を素直に語っているからなのかもしれませんが、同時に虚構でもあるという前提が役者と観客の間に明らかに対流を生んでいるんです。それは一人芝居という形式の性質ではありますが、ファックジャパンという嘘モノなのか真実なのか分からない存在の語る、夢と性欲と静けさが一緒くたになった世界がとても美しかったんですよ。
FJ 
なんかその、「お母さんとファック」は、分をわきまえたいというか。そんなに効果的に、お話に乗りたくないというか。
__ 
ええ。
FJ 
自分は一体、何をしている時が一番興奮しているか、それは雑談している時なんですよ。思い出話を公の場でするための演劇だったと思います。面白い面白くないは優先順位は下げて。20分の思い出話をしてみた、という。
__ 
それにしてはとても幻想的でした。一つ、印象に残った手法があって。京都でのデートのシーンで、一人称がファックさんなのかお母さんなのかお母さんの相手の男性だったのか、ないまぜになっているシーンがありましたね。
FJ 
実際にその、母がデートした場所に行ったんですよ。それを思い出した順に書いていっていたら、そうなったというのはあります。
__ 
ファックさんの記憶や主体がスライドしていって、観客の思惟も同時にスライドしていって。集中して聞いていればいるほど、垣間見える景色が清冽に視界に飛び込んでくる。ただ単に美しいと思ったんです。

タグ: インクの一滴 性欲 愛はないとぼくは思う 一人芝居 タイトルの秘密 作家の手つき


見たことあるんだけど、見たことのない

__ 
丸山さんが壱劇屋に関わったのは、どんな経緯があったのでしょうか。
丸山 
まず、僕は高校演劇から始めていて。大学でもやってたんです。就職してから2年ほどは出来なかったんですが、大阪に出てきて芝居を初めて。壱劇屋を初めて見たのはLYNX’Sです。こりゃ面白いぞと思って。回想電車と金魚鉢を見て。劇団員募集の告知を見て、これは入ろうと。それまで、自分で演劇ユニットに参加して1年に一本くらい舞台に出たり、事務所に入っていたのでメディア関係の仕事はしていたんですけど、なかなか舞台に立つ時間は無かったので。これが年齢的にも、挑戦するには最後かなと思いまして。
__ 
壱劇屋、どういうところが魅力的だと思われたのでしょうか。
丸山 
台詞に頼らずに話が展開出来る床ですね。アイデアの豊富さというのもあります。一番最初に見て感じたのは、古くさい演劇的手法を、全く新しい使い方で見せたりしてくるんですよね。見たことあるんだけど、見たことのない使い方。

タグ: 作家の手つき


EPOCH MAN〈エポックマン〉

__ 
EPOCH MAN〈エポックマン〉。どんな作品を作られるのでしょうか。
小沢 
まだ一回しか公演をやっていないのですが、前回のは70分から80分の作品で、女性4人の芝居と、男女の二人芝居の二つの短編をくっつけた作品でした。僕自身が好きなのは、人の醜い部分だったりするんですね。女性の嫉妬心や執着心などのドロドロした部分。それが笑いになってしまいながら、心が痛くなるような。リアリティは大切につくるのですが、ひとりの役者がコロコロと役を変えたりと、基本的には生の演劇ならではのものは目指しています。自分自身が、何だかんだエンターテイメントが好きなので。
__ 
面白そうですね。拝見したいです。
小沢 
ただの、リアルな生活を見せるようなお芝居はあまり好きじゃないんですね。視覚的にも楽しみたいし、音楽も大切にしています。ただ、まだはっきりとは、こういう作風です、こういう色です、というのは見つけていないのでこれから探していこうといろいろ挑戦していきます。
__ 
彫刻で言うと、石の中から人物を取り出せていない感じ。
小沢 
まさにそうですね。その状態を楽しんではいるんですけど。映像も好きだし、落語も絵本も歌とかにも興味があるんですよね、最近。もしかしたら、毎回観にくる度に全く違う雰囲気の演劇になってるかもしれません(笑)とにかく今は、来年2月の公演に向けて次回作を書いています。
EPOCH MAN
虚構の劇団に所属する小沢道成が2013年より始める演劇プロジェクト。俳優として活動をしながら、劇団の自主企画公演で発表した数本の作品が好評を得る。人(特に女性の心の中をえぐり出すような作風と、繊細かつ粘り気がありながらスピード感ある演出が特徴のひとつ。問題を抱えた人物が前進しようとした時に生まれる障害や苦悩を丁寧に描きつつも、演劇ならではの手法で会場を笑いに誘う。(公式サイトより)

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音楽と、演劇と、身体と、

__ 
興味があるやり方に「しちゃう」のが筒井さんの演劇なんですね。そこで伺いたいのですが、筒井さんが発見されたセリフと身体の時間的な分離は、革命的な手法として演劇史の延長線上に位置しているのでしょうか。それとも、人間存在なるものを、意図的に発生させたズレから問い直す意義に立脚しているのでしょうか。
筒井 
後者ですね。確かにそれは後者なんですよ。最近になってようやく、自分がやっているのは演劇だと思えるようになりました。dracomが舞台芸術集団と名乗っているのもそこからです。舞台で何か、面白い事をしたいという気持ちは当初からあるんですが、それが演劇である必要はないなあと。そういう中で、例の実験が大きかったんです。ちなみに僕は音楽が趣味なんですが、劇中で音楽が鳴る時、「音楽が鳴ってるからここは盛り上げたいんだ」という見え方がするともう最悪なんですよ。そういうものが世の中に多い中で、演劇を後押ししたりとか、足をひっぱりあうみたいな関係じゃなくて。音楽と、演劇と、身体と、セリフというものが有機的に関わる表現を模索していたんです。その中で、ずらすという手法が、今までにない形で捕まえる事が出来たと思ったんです。演劇に革命を起こそうとかは考えてなかったですね。音楽好きだったから辿り着いたかもしれません。もしこのやり方を、演劇だけを志向する人が気付いたとしたらどうだったんだろう?それを深めたり継続したり、上演に持っていったとはちょっと思えないですね。
__ 
音楽と空間と演劇。それらが同じ時間と場所に結実するものを、コンセプトから引き出せないかと考えているのですね。
筒井 
まあ、偶然に助けられたものかもしれないし、それを稽古場で初めて見た時面白がったのは僕だけだったんですけど。あの瞬間は、それまで目指していたものを掴んだと同時に今後の自分の方向性を広げてくれました。ただ、その広がりは用意されている劇場空間に集中してしまい、以降、それほど変な公演はしていないですね。もちろん、試みを面白いと多くの方に仰って頂いたし、僕自身も面白いと思っていたんですがその次へと越える為の何かを生むのに苦しんでいます。あの演出方法でどんどん作っていけばいいじゃないかという声もあるんです、が、実感としては「いくらでも作れそうだ」と思っています。テキストさえあれば。だから、いくらでも作れると思えてしまった時点で、これはブレーキを掛けないといけないと考えたんです。

タグ: 総合芸術としての演劇 孤独と演劇 有機的に関わりあう 作家の手つき


イエティ「さらばゴールドマウンテン」

__ 
古藤さんの最近の出演作、努力クラブとイエティと壁ノ花団と衛星と、どれも拝見しています。
古藤 
ほんまにありがとうございます。
__ 
最近の中で特に印象深かったのは。
古藤 
去年から本格的に演劇に入って、毎回違う方達とやらせてもらっていまして。毎回その、違うんですよ。これが良かったなというよりは、毎回違う事をやっている感じですね。
__ 
毎回全然違う。
古藤 
その中でも今年の頭に出させてもらったイエティと努力クラブは僕の中では特別に印象が強いです。変な意味じゃなくて、真逆だったんですよ。現場とか、経験が。イエティは先輩ばっかりで僕が一番下、努力クラブは僕が上の年代だったり。まあ、努力クラブもキャリアとかは皆さんが先輩だったんですけどね。
__ 
なるほど。
古藤 
イエティでは先輩に必死に食いついて、努力クラブでは今まで出来なかった事とかを出来るようにして。でも、どちらもまだまだ出来る事はあって、反省も残っています。
__ 
というと。
古藤 
台本を頂いてから本番までに、やっぱり段階があるんだと思うんですよ。イエティの方でそれを再認識しました。セリフを覚える段階、噛まずに言える段階、セリフが染みこんでくる段階と、その段階のスピードが早かったりして。もちろんそれは誰でもバラバラなんですけど。でもイエティでは、ある時ギューンと、周りがさらに上の段階に成った時があったんです。
__ 
へえ!
古藤 
僕がいなかった稽古があったのかなと思うぐらい。実は最初の方でエチュードをしていて、いい意味で抜けた雰囲気でやっていて、割とこういう感じで進んでいくのかと思っていたら、稽古期間の最後の方で急に物凄く伸びたというか。どういう思考でやってはるのかなと。
__ 
そのイエティの作品「さらばゴールドマウンテン」では最後の方にドタバタがありましたね。それが凄く面白かったんですけど、そこを舞台上で生でやる事に照準を合わせて稽古を進めていった、という感じなのかもしれませんね。
古藤 
狙いに合わせて、それまでのシーンのディテールとか、態勢を稽古で色々決めていった、のかも。
__ 
何より、彼らの役者としての、その「ギラギラしている」という言葉を使っていいのか分からないですけど、そういう熱い部分が伝わってくるようですね。
古藤 
弱男の村上さんと舞台が終わった後に話させてもらって。世界観を崩さない為に、ウソになってしまうようなコミカルすぎる演技じゃあ、なかった、ってなって。僕は最初、コントに近い作品だと思って稽古に臨んでいったんですが、舞台を作り込んだり戯曲を読み込んでいったりする内に、あの世界観に入れていった感じでした。その感覚を汲んでもらったんですね。嬉しかったです。「~~風のコントじゃなくて、ちゃんと演じている役の人物を考え、その上での感情を込めた演技をしたいよね」と、競演させていただいた土佐さんには言われました。同じ事かもしれません。それは僕の課題なのかもしれないですね。次の努力クラブに、その意識で行けました。
__ 
努力クラブ必見コント集ですね。
古藤 
まずは、居場所を見つけるところからでした(笑う)とけ込めばいいのか、ケレン味をもっと出せばいいのか探りながらですね。あんだけのメンバーなので。楽しみながら迷ってました。
イエティ
大歳倫弘氏作・演出のヨーロッパ企画のプロデュース公演。
イエティ「さらばゴールドマウンテン」
公演時期:2013/2/14~18(京都)、2013/2/22~25(東京)、2013/3/1~3(大阪)。会場:元・立誠小学校 音楽室(京都)、駅前劇場(東京)、インディペンデントシアター2nd(大阪)。
努力クラブ
元劇団紫の合田団地と元劇団西一風の佐々木峻一を中心に結成。上の人たちに加えて、斉藤千尋という女の人が制作担当として加入したので、今現在、構成メンバーは3人。今後、増えていったり減っていったりするかどうかはわからない。未来のことは全くわからない。未来のことをわかったようなふりするのは格好悪いとも思うしつまらないとも思う。だから、僕らは未来のことをわかったようなふりをするのはしない。できるだけしない。できるだけしないように努力している。未来のことをわかったふりをしている人がいたら、「それは格好悪いしつまらないことなのですよ」と言ってあげるように努力している。(公式サイトより)
壁ノ花団
MONO所属俳優、水沼健氏が作・演出を務める劇団。独特な手法を用いて豊穣なユーモアの世界を紡ぎだす。
劇団衛星
京都の劇団。代表・演出は蓮行氏。既存のホールのみならず、寺社仏閣・教会・廃工場等「劇場ではない場所」で公演を数多く実施している。

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咲かないバラ

__ 
あ、作品についてもっと話したくて。
森口 
そうですね、全然喋っていませんでしたね。話しましょう。
__ 
「薔薇にポケット」で凄く工夫されていて驚いたのが、後ろの布地に小道具というか、アップリケをマジックテープで貼り付けて書き割にして、それが絵本のようになるという発想がとても可愛らしいですよね。花で出来たアーチとか、お祭りの風景とか。あれを考えたのは。
森口 
私です。舞台装置をどうしようと思っていたんですが、ページをめくるようなイメージでした。それらを貼り替えるというのなら出来そうだし、絵を描くのも好きなので。背景が変わったら面白いなと思ったんです。何もないところに重ねていくとか、減っていくのが面白いなと。
__ 
あの美術、凄く効いていました。
森口 
ありがとうございます。
__ 
絵本という世界観を一瞬で説明してくれるし、その中で行われる演技もとても絵本調なのに嫌らしくなく決まっていて。感心したのが、場面転換の時、俳優の一人が前に出てきて次の場面の説明をボードでするんですが、その時に後ろを気にする演技をしますよね。それが凄く良かったんです。
森口 
あれはみんなでやってもらったんですが、イメージとしてはニワシティの住人や妖精というものでした。
__ 
いや、何か言葉で言うとありきたりかもしれないんですけど、それを実際に目にすると何故かものすごくびっくりしたんです。だって、あまりにも当然というか、あんなにハマっているメタ演技はないんですよ。そこに演出の手つきの良さを凄く感じたんです。
森口 
そういうのがパプリカンポップでやりたい事なのかなと。もちろん大人向けの作品なんですが、子供が観ても大丈夫、というのを結構意識しています。あの役割も、私がこういう事をやりたいと言っただけで、解釈してくれたんですよね。
__ 
「薔薇にポケット」じつはちょっと、悔しかったです。
森口 
悔しい?
__ 
正直、最初の10分間ぐらい、子供向けの何かだろうと思ってたんですよ。その後の予定があって、ちょっと焦った気分で見ていました。なのに、それが凄く調和されて作られているものだと分かって。
森口 
ありがとうございました。
__ 
結局、赦しの話だったと思うんですよ。咲かないバラが秘めているものが、彼女の思いそのもので。裏切りにあっても許すというのがすごくいい展開ですよね。
森口 
はい。それもテーマの一つでした。

タグ: 子供が見て喜んで、且つ同時に批評家が唸ってしまう 工夫する俳優 調和の価値 世界観の作り込み 作家の手つき


震撼

藤原 
そもそも僕が演劇に深くコミットするようになったのは、元・快快の篠田千明に呼ばれて「キレなかった14才りたーんず」という企画公演にパンフの編集者として呼ばれたのがきっかけです。こまばアゴラ劇場に毎日貼り付いて、ほぼ全公演をいろんな角度から観つづけたことで、演劇というものの多角的な魅力が見えてきた。なんか、感触をつかんだんですよね、空間の。作り手たちの熱気のぶつかり合いを近くで目撃できたのも大きかった。ただ、観客動員数はすごくあったのに、あの頃の彼ら(6人の演出家たち)は演劇界ではまださほど認められていなくて。「若いやつらが内輪でハッピーなことやって騒いでる」みたいに軽んじられる雰囲気があった。僕はそれらに対して「彼らは彼らなりの若い感性で世界を切り取っていますよ」と証明する必要を感じたんですよね。ただ、そのためには言葉が必要だったし、まずはたくさん舞台を観ないとお話にならなかった。そしたら単純に、いろんな面白い舞台に出くわしていって、気づいたら戻れなくなっていたという(笑)。エンリク・カステーヤさんとの出会いとか衝撃的でしたね・・・・・・。まあこの話は長くなるので今はやめておきます。
__ 
若い才能。認められるべきですね。
藤原 
その過程でマームとジプシーの藤田貴大くんと出会っちゃったのは人生が変わるレベルの大きな出来事でした。『たゆたう、もえる』という作品を、現『シアターガイド』編集長の熊井玲さんに誘われて千秋楽に駆け込みで観に行って、びっくりして。いったいどんな人が作ってるのかと思ったらすっごい線の細い、でもエキゾチックな目をした美青年が現れて、やばいこれはマジで天才に遭遇してしまったと。震撼しましたね。それで家が近かったこともあり、一時期はほぼ毎日くらいのペースで飲んで話してました。村上春樹ふうにいえば、2010年の夏に2人で飲んだビールの量はプール一杯ぶんくらいに相当すると思いますよ(笑)。もちろん演劇の話もしたけど、映画とか小説とかの、あれがヤバイとか凄いとか・・・・・・。彼もやっぱり最初は認められてなかったし、傑出した才能があるからこそ、周囲の反発も凄いものがあったと思います。でも藤田くんはタフだったなー。彼とその仲間たちが、演劇界の空気をずいぶん変えたと思いますね。
__ 
素晴らしい。
藤原 
演劇界にかぎらず、世界は変わりつつあるんだなとひしひし感じてます。震災の前から、戦後日本を支えてきた社会の様々なシステムは斜陽に差し掛かっていた。それが震災で完全に露呈されたと思います。ハリボテだったじゃん!、っていう。逆に言うとこの混乱期は、若い世代にとっては大きなチャンスだとも思う。僕は人生のわりとそれなりの時間を酒場で過ごしてきたので、オッサンに説教されることなんて日常茶飯事だったんですよ。でも震災後、オッサンが自信を喪失したのがハッキリと分かりましたね。むしろ謝られることすらある。こんな日本にして悪かった、とかなんとか・・・・・・。とにかく、いい仕事をする若者がちゃんと認められるのは健全なことだと思う。
__ 
いい仕事をする若手。
藤原 
問題は、僕自身がもはやそれほど若くないということですね(笑)。だから単に若ければいいとも思っていない。大人には大人のやり方ってもんがあると思う。
快快
2004年結成、(2008年4月1日に小指値< koyubichi>から快快に改名)。集団制作という独自のスタイルで作品を発表し続ける、東京を中心に活動する劇団。パフォーミングアーツにおける斬新な表現を開拓し「物語ること」を重視した作風で今日の複雑な都市と人を映し出しながらも、次第に幸福感に包まれゆく人間の性をポップに新しく描いてきた。(公式サイトより)
マームとジプシー
藤田貴大が全作品の脚本と演出を務める演劇団体として2007年設立。同年の『スープも枯れた』にて旗揚げ。作品ごとに出演者とスタッフを集め創作を行っている。08年3月に発表した『ほろほろ』を契機にいくつもの異なったシーンを複雑に交差させ、同時進行に描く手法へと変化。09年11月に発表した『コドモもももも、森んなか』以降の作品では、「記憶」をテーマに作品を創作している。シーンのリフレインを別の角度から見せる映画的手法を特徴とし、そこで生まれる「身体の変化」も丁寧に扱っている。(公式サイトより)

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内容だけ

__ 
北川さんがお芝居を始めたのは、どのような経緯があるのでしょうか。
北川 
高校が、埼玉県立芸術創造高校という、映像科、美術科、舞台科、音楽科しかない学校で、ちゃんと演劇を始めたのはそこからです。でも実はそれ以前に、小さい頃から子供向けのワークショップを受けていて。小学校一年から10年ほど朗読を習っていました。中学校まで。
__ 
え、朗読を習っていたんですか。そういう方にお会いするのは初めてですね。
北川 
そうですよね、珍しいと言われます。子供の時から、大人のクラスに入れられて。漢字にふりがなを振るところから始めました。
__ 
めちゃくちゃ難しいイメージがあります。私が想像するに、朗読ってきっと、お客さんをとりあえず聞いてもらうようにするのがすごく難しいんじゃないかと思うんですよ。それはきっと、本を読んでいるだけでは難しい。
北川 
そうですね。朗読の捉え方というのが色々あって。で、私が考える朗読は「表現するというよりは内容を伝える為に表現をする」ものだと思っています。例えば、手法や表現が主体となる演劇作品。「こういう手法にチャレンジしました」というものがあると思うんですけど。そうした考え方でもし朗読をした場合、俳優さんが「私はこういう表現が出来ますよ」みたいな。
__ 
芝居をする事もありますしね。
北川 
朗読においては、表現はあくまで手段で、内容だけが伝わればいい。表現過多になってはいけない、という考え方を師匠に教わりました。
__ 
私のこのサイトも、内容が最重要なので、何となく分かります。
北川 
でも、小学校一年からそういう考え方で来ているので、自分の個性を生かした芝居とか、キャラクター性とかが・・・。特にロロの作品だと、分かりやすいキャラクター達の中で器用貧乏になっているんじゃないかって、あんまり。自分のが何か欲しいなとは思ってるんですけど。
__ 
そのままの北川さんでいてほしいと思いますけどね。
北川 
えへへ・・・。
__ 
うーん、表現についての考え方が素直な気がして。それは、実は舞台に立ったらかなり分かると思うんですよ。

タグ: 手段を選ばない演劇人 作家の手つき


劇団レトルト内閣とその変遷について

__ 
さて、レトルト内閣とその変遷について今日はお話したいと存じます。
三名 
細かく説明しだしたらキリがないんですけど、どういう感じでいきましょうかね。
__ 
まず、私の経験から良いでしょうか。5年前に楽園狂想曲という作品を芸術創造館で拝見し、それから一作品くらい飛ばして全て拝見しています。
三名 
ありがとうございます。
__ 
これは大変失礼な言い方ですが、最初に観たその作品からほぼ別の劇団なんじゃないかというぐらい作品の質が上がったと思っています。偉そうな言い方にならざるを得ないんですが、成長されたなと。最初に観た作品は、下手というよりかは、表現を伝えたいという意思と手法がマッチしておらず、安易な作りに見えたというか・・・やりたいようにやってるだけのように見えてしまったんですね。しかし5年して、演出方法に劇的な変化があり、ほとんど変身しているように思えます。驚きました。何があったんでしょうか。
三名 
楽園狂想曲に関しては、まあ失敗したなというのがあったかなと。
__ 
そうなんですね。
三名 
演出方法として、大劇場寄りの作り方をしてしまったので・・・これではちょっとあかんなと。どこまでいっても大劇場を超えられないし自分達の良さを引き出せない。そういう意味では絶叫ソングもそうでした。社会に訴えるようなというテーマを選んでしまったために、焦点がぼやけていて。演出の面でも、ポイントがハッキリと分からなかったんですよね。
__ 
しかし、「さらばアイドル、君の放つ光線ゆえに」から一転、全く違う演出方法が取られるようになりましたね。「さらばアイドル」は非常に場面転換が多い、暗転と出ハケと映像のテンポが良く、恐ろしいスピードでイメージの切り替わる芝居でした。それまでのレトルト内閣の持っていたイメージを受け継ぎながら、とてもシャープな仕上がりでした。強烈なイメージを伝えるのに必要な、切れ味のあるやり方。演劇に形を借りたパフォーマンス作品と言えるんじゃないかと考えています。そういう作品はあまり観たことがなかったので、新鮮でした。そうなったのは、内から来る表現欲求だけに拘るよりも、演出方法に目を向け始めたからじゃないかと考えているのですが。
三名 
それはありますね。従来の手法を変えようと言い出したのがレトルト内閣の代表でした。
__ 
というと。
三名 
「さらばアイドル」以前は演出に向いていないんじゃないかと思っていて。それならお芝居の鉄則、一場一シーンに則って作ったらクオリティが高くなるんじゃないかなと。ウチは台本を決める会議を毎回するんですが、そこで私が「鉄則通りの大人しい演出をしたい」と言うと、代表の川内が「それは可能性を狭めるから嫌だ」と。「そんな発想ではもうどこにも行けないから、抜けだそう」と。じゃあ思い切ってやってみましょうかという事になって、逆にシーンを細かくぶった切って映画のシーン作りを意識した演出になりました。
__ 
そう、映画みたいな演出でしたよね。
三名 
次の「猿とドレス」はデビッド・リンチやジョーン・ゾーンを研究して、訳の解らない演出をやりました。
__ 
あれは凄かったです。強烈なイメージがあるんですよね。
__ 
しかし、そうした転換は会議で決まった方針なのですね。
三名 
会議はいつも作品が幅広い客層にウケるようにというスタンスで、焦点のボケるものだったんですけど・・・。その時は珍しく、変化や挑戦していこうと代表が言って、すごく感謝しています。
__ 
それからなのか、俳優の会話もモノローグも凄く上手くなっていったような気がします。自分の保守範囲を守るような演技じゃなくて、演じる事に捧げているように感じます。見せ方が変わっただけじゃなくて。この間の「金色夜叉オルタナティブ」も非常に面白かったし。そうなんですよ、劇団って頑張ったら成長するんですよね。少なくとも変わる。でも、俳優の方々は苦労されたんじゃないですか?
三名 
凄く苦労しました(笑う)。早替えであったりとか、複数役があるとか、数秒で暗転するとか。技術も気合もいる(笑う)
__ 
でも、よく訓練されている感じはしますね。全然不安にならない。
三名 
やり始めたら、技術がだんだん蓄積し始めているんですよ。俳優も苦労しながらノウハウを蓄積して、根をあげず助けてくれました。
__ 
たった一作品で変わる事ないですもんね。
三名 
ウチの特徴として、セリフのテンポが早いんですね。以前伊藤えん魔さんがゲストで来て下さったとき、ものすごく多忙な時期を融通してくださって来てくれたんです。バタバタだったので段取りだけ確認して、本番が始まってから、自分の出番までの時間で台本を覚えてはったんです。そろそろ自分の出番かなというシーンで。そしたら、すごいスピードでシーンが変わっていくから「今、どこ?こんな早いんか、間に合わない」って(笑う)。
__ 
それは伊藤えん魔さんが面白い話ですね(笑う)。
三名 
知れば知るほど凄い方です(笑う)。

タグ: 出ハケについて 伊藤えん魔さん 転調 レトルト内閣のウワサ 段取リスト 作家の手つき


自分の何かを意識的に考えて

__ 
今日はどうぞ、宜しくお願い致します。サリngさんは最近はどんな感じでしょうか。
サリ 
突劇金魚が、今年の7月に本格的に始動し始めました。今稽古しているのは本公演という事で、久しぶりに作・演出・出演なんです。今さらなんですけど・・・やっと、自分の何かを意識的に考えて作っている感じですかね。
__ 
ありがとうございます。どういう事でしょうか。
サリ 
今までは、やりたい事があってもそのやり方とかの目星を付けずに、漠然と違うんじゃないかと思うところをただただ削ぎ落とすみたいな事をしていて。これがやりたくて、だからこの方法を取るみたいなのをしていなかったと今、思うんです。今は、これがやってみたいから必然的にこれをやる、という方法に変わった気がしますね。金魚自体が。
__ 
構成と手法。
サリ 
普通はそうなんでしょうけどね。若くて、作るという事がどういう事か分かって無かったんでしょうね。いや頑張ってたんですけどね。
__ 
サリngさんが、いまはそこにいるという事だと思いますよ。段階じゃなくて。上とか下とかじゃなくて。
サリ 
はい。いや、でも今でも分かってるかどうかわかりませんけどね。
突劇金魚
関西学院大学の演劇グループSomethingの99年度生(OG)、サリngROCKを中心に結成。2008年12月に蔵本真見が入団。2012年4月に个寺ギンと山田まさゆきが入団。現在6名で活動中。独特な関西弁のセリフまわしで、他にはない世界をつくる。不器用な登場人物たちのチョット毒あるお話を、派手目の極彩色でイロドる世界観。音で刺激。見た目で刺激。プププと笑って、チクッと刺される新感覚。2008年「愛情マニア」で第15回OMS戯曲賞大賞。2009年「金色カノジョに桃の虫」で第9回AAF戯曲賞優秀賞。2010年夏には渡辺えりユニットえりすぐりに関西女流作家の1人として脚本を提供している。(公式サイトより)

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地底人から始めたい、新しい流れ

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これまで何回か拝見していますが、ピンク地底人の芝居は前衛的手法とエンタ-テイメント性の融合が特色としてよく挙げられますよね。これは、どういうところから生まれるのでしょうか。
3号 
僕が考えて、役者の人にやってもらって、それが役者の体を通して生まれる事が多いですね。
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「ある光」での、集団の行列による一人の人物のモノローグは大変面白かったです。役者が一列になって、順繰りにモノローグを述べていくという。
3号 
そういうふうに、毎回新しい手法を編み出すのが好きだと言って下さる人もいます。でも、それも最近はもういいかなと思えてきて。このところ、演劇関係全体で、手法がどうのという言い方が多すぎるんじゃないかなと思うんです。ポスト演劇という流れに、みんなそろそろ飽きているんじゃないか。そう思ってたところに今年の岸田戯曲賞の選評を読んだ。野田秀樹さんが「今後は脱ドラマじゃないものも望む」と。あ。やっぱりと思いました。なら、次のターンが始まるなと。僕はそこに一手を打ちたいなと思います。
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地底人が旗手になりたいと。
3号 
そうですね。地底人から始めたいです。やっぱり関西だけでやってたら情報が伝わるのも遅いですし・・・そういう面で東京で作品を上演出来るというのはとても嬉しいです。
ピンク地底人空前の第8回公演「ある光」
公演時期:2012/7/8~10。会場:シアトリカル應典院。

タグ: 野田地図 俳優を通して何かを見る 前衛は手法から作る人々を指す 作家の手つき


「ピラカタ」という白紙

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そうした、ごまさんの妄想という神話から生まれた街「ピラカタ」。この街を、国生みの瞬間からマクロ・ミクロな視点にかけて色々な部分から切開し、そこに住む人々を描き出すという作品でした。
ごま 
ガルシア・マルケスという人の書いたシリーズに、マコンドという街の話があるんです。「祖先の墓が出来るまでは、そこは我々の故郷とは言えない」っていう記述があってね。枚方も、僕ら新しい住民にとっては、まだ誰もそこに骨を埋めていなかった。
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でも、次第に人は死んでいく、
ごま 
そう。例えばニュータウンでも死者の形跡というか、証やエピソードは残る。マンションの7Fに住むあの奥さんが育児ノイローゼで子供を落としちゃったとか、あの角で誰かが交通事故に遭って亡くなったとか。怪談話のような体裁で人から人へ伝えられていく。そういうイカガワシイ話を思い切り引き伸ばして神話にまでしてしまった。
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なるほど。
ごま 
でも、枚方って無個性な街なんですよね。神戸とか京都とか、特色があるじゃないですか。枚方にはそういう、これといった特徴もないし、生み出せないところがある。
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真っ白な、歴史のない土地に経済的な理由だけで街を作る。でも、そこに生きている人々は紛れもなく生きているんですよね。例えば、高原さんが演じる少年が自分のおしっこを掛けて形作った「尿神様」(にょうがみさま)。あの存在が非常にリアルに感じたんですよ。
ごま 
適当やね。あの高原さんがやった役が今回一番好きやったね。
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最後のシーン、人々がピラカタ=枚方という街の夜景を眺める時に、それまでの時代も場所も世界の切り取り方も全然違う全てのシーンや、俳優の姿が一つになって、客席をどこか知らない街まで連れ去ってくれたような。その時、舞台で高原さんが電車を持ち上げてしまうみたいな演技までが新鮮だったんですよね。そのラストの演技にドライブ感があって、だから傑作だと思ったんですよね。
高原さん
ニットキャップシアター。女優。

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手法

根本
まあ、ちゃんと勉強をしないといけないなと思っています。何か、自分のオリジナルっていうのは、自分の中にあるものがオリジナルというよりは、それを扱う手さばきというか、手つきみたいなのがオリジナルなんじゃないかと思っていて。
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うん。
根本
その為には、この世界が良いと言ってきたものを取り入れていかなければなと。古典とか。
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最近読んでるみたいだね。
根本
自分のオリジナルがそういうものを扱う手さばきにあるんだとしたら、入れれば入れるだけ、良い方向に回っていくだろうなと言う。
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うんうん。
根本
そういうものに流されてしまわずに受け止める土壌みたいなものはこれまでの活動で出来てきていると思っているので、ここらで大事に入れて行きたいなと。
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そういう手法が、自分の強みだと言っていたと。
根本
単純に、手法っていうのも違うかもしれないけれど。手法自体も借り物でもいいと思う。素材も。
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手さばき。
根本
手法を持ってくる手法。
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それぞれの世界について、根本君は一定期間考える。一つずつでも複数まとめてでもいいから、考察したり自分の意識に取り入れていくと。その、取り入れるプロセスにご自身の力があると。
根本
そう。どんなにニュートラルに理解したつもりでも、自分の口から喋ればそれは僕自身が言ってる事になってると思うんだよ。
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ああ。
根本
前はそういう、借り物の言葉に警戒してた事もあるんだけど、でもあいだに自分のキャラクターがちゃんと媒介されるならそれはそれで大丈夫かなあと。
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うん。
根本
ダンスとかしてても自分だけずれているような状態を、大事にしたいなと。うん。

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