劇団ZTON「天狼ノ星」を終えて

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天狼ノ星を終えて。ZTONの傑作として記憶に新しいですね。大変面白かったです。私の考え方だと、傑作って作品だけではきっと成立しなくて、客席も含めた劇場が置かれている時代背景がかなり影響していると思うんです。そうして初めて演劇は必然性を持って現在の我々の前に現出しうるのではないか。天狼ノ星は、多文化共生社会の到来と東アジアとの国際関係に悩む現代日本を背景に、他国の国民とこれから向き合うであろう世代の横顔を、ループ状の物語構成を借りた演劇作品として鮮やかに表現されていました。もちろん芝居としても非常に完成度が高く、素晴らしい演劇になりました。為房さんは、一人の役者として、どのような経験でしたか?
為房 
ありがとうございます。お芝居を作るにあたって何が一番大事かって、話が一番大事だと思っていたんです。僕が何かお芝居やパフォーマンスを見る時、やっぱりお話を見るんですね。脚本家が書いたものの起承転結がきちんと魅せられるか。そこに徹するあまり、自分が演技をする時も「色がない」「安定感が凄いよね」「もっと余分な事をすればいいのに」と言われる事があって。
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そんな事を言われますか。
為房 
安定はしているけどね、って。でも今回に関して言えば、早い段階で稽古が回ってこなくなって。つまり殺陣指導をはじめ稽古を見る時間や、自分自身のプラスアルファを考える機会が多かったんですね。さらに、団員の平均年齢があがるにつれ、僕が、絶対的に話を魅せる側に回らないといけないと自覚したんです。地の章では割と、一本の柱としての役なので、もっと我を張らなくてはならないと。今までは誰がメインなのかによって、そこに意識を集中させるために考えて、それはもちろん大切なんですけど、その中でも我を持つようになったというのが個人としては大きい変化でした。
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話を律する立場を意識するようになった。
為房 
そうなるのが遅すぎると言われそうですけど。ホントに極端な事を言うと、話が壊れてもいいから僕が目立てばいいかなというぐらいの気持ちになった、というのが大きいですね。

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切り下ろし・切り上げ

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ステラさんの殺陣はとにかくキレイですよね。
焼酎 
ありがとうございます! 運動部に入った事もないので、初めて殺陣のある作品の時は毎日素振りしていました。
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大変ですね。
焼酎 
ずっと独学で、切り下ろし・切り上げと鏡の前で練習していました。今も、イベント業務に出させてもらう中で勉強しております。
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イベントに出られる事もあるんですね。
焼酎 
この間は静岡で、三方ヶ原の合戦を再現するイベントがありました。そこで役者として呼んで頂いて、芝居と殺陣をさせて頂きました。
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すごいですね。
焼酎 
一騎打ちのシーンで、名乗りを上げて殺陣をさせてもらいました。最近は、そういう風に声が掛かる事も増えてきて。
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すばらしい。そうそう、「月黄泉の唄」でのステラさんの刀裁きは良かったです。相手の目の前に刀をピッって突き付けたり。
焼酎 
女の子はあまり背が高くなく、手も短いので、抜刀する時は腰を落として抜いたりと工夫するんです。まだまだ、勉強中です。

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追及

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さて、そんな劇団ZTONの旗揚げの経緯を伺えますでしょうか。
河瀬 
僕は月光斜に所属していたんですけど、参加した作品に納得してなかったんです。それで、自分で企画したらそういうストレスはなくなるかなと思って。僕が3回生の時に、月光斜の新歓公演で演出をやったんですけど、手応えを感じたんですよね。「これ行けんじゃねえか?」と思って。飲み会の席でたまたま一緒だったメンバーで「じゃあやろっか」と。
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一番最初の公演は、いかがでしたか?
河瀬 
「じゃあやろっか」と言ってから4カ月後に、学園祭の企画でやりましたね。その頃既に仮エンタメ大嫌いだったので、そういう要素が全面的に入った作品でした。エンタメ糞喰らえ、みたいなネタの塊でしたね。今年の11月に再演するんですけどね。
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タイトルは。
河瀬 
ISUKA」です。神武天皇の時代のお話です。
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エンタメ糞くらえで時代モノというのが矛盾していて魅力的ですよね。ちなみに、現代を舞台にしたお話は作られないのでしょうか?
河瀬 
書きたいんですけどね。書くとなると、リアリティをどこまで追及出来るか?という話になるんですよ。書きたい話はあるんですけどね。ウイグル自治区の難民問題をエンタメに載せてみたいと思っています。
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素晴らしい。
河瀬 
これについては気が狂う位の量の勉強をしないといけないと思うので、今、リアリティを追及すると自信がないんですよ。例えば、現代を舞台にしたエンタメでは拳銃が良く出てきますね。あれほど、現代の日本人にリアリティのないものはないと思うんです。僕の祖父は明治生まれで3回戦争に行ったんですけど、隣で匍匐前進していた同僚が撃たれて死んだとか、そういう話を聞いたんです。そこまでリアリティは要らないなと。もしそういう話をするのであれば、社会問題をもっと勉強させてほしいという。

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物凄いエネルギー

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今後、蜜さんはどんな感じで。
蜜  
NHKの朝の連ドラに、ヒロインのお兄さん役で出る、という目標がありますね。
_  
それはいいですね。
蜜  
漠然と(笑う)。まあ、これは冗談ですけども。・・・THE RABBIT GANG TROUPEでの公演をやらせてもらって、それ自体は楽しかったんですが。何かもう、いいかな、と思っていて。もちろんやってたんですけど、燃えてこないんですね。SHOWDOWNをやっていた頃はチャリ乗りながら寝てた事もあるほど出来たんですけどね。
_  
マジすか。
蜜  
入院していた時期もあって、辞めようかなとすら思ってたんです。そういう中、HOMURAの公演で河瀬君と出会ったんですよ。河瀬君はSHOWDOWNでの出演も見てくれていて、声を掛けてくれてやっぱり嬉しかったんですね。大学の3~4年で劇団を立ち上げていたりとか、そういう子らの力になりたいなと。
_  
なるほど。
蜜  
まあ、もちろんお互い利用しあうみたいなのもあるんですけど(笑う)、この子らと一緒に売れたらいいなと。
_  
なるほど。ところで、ZTONの魅力というのは。
蜜  
ZTONの魅力か。あー。
_  
まあ、もちろん若さというのがあると思うんですけども。
蜜  
ああ・・・。あいつらに魅力!?(笑う)彼らと一緒に芝居を始めた時、河瀬君の家に飲みに行ったんですよ。したらSHOWDOWNのビデオがあって、そこで僕が台本1ページ分の一人台詞を言うシーンを見せられたんですよ。「僕これ完コピしましたよ」とか言ってコイツ馬鹿じゃねえのと思ったんですけどね(笑う)。でも、そう言ってくれるのは嬉しかったですし。彼らは団員が9人いて、スタッフワークが9人で賄えているんですよね。まあ、ありふれた言葉ですけど可能性を感じたんですね。
_  
考えてみれば、それは凄いですよね。
蜜  
ZTONの旗揚げというのは、河瀬君が3回生の時だったんですよね。3回生でですよ。その時についてくる人がそんなにいたんですよ。劇団を作るって物凄いエネルギーが要るじゃないですか。羨ましいんですね。近くで彼らを見ていたいし、何らかの形で関わりたいんですよ。そういう、人間の熱さというか。言えてないんですけど。
_  
それでは、役者としてはどんな感じで今後攻められていきますか。
蜜  
そうですね・・・。基本能力として、演出家の感覚をちゃんと表現出来る役者にはなりたいですね。当たり前の話ですけど、その役者が立っていると、客が安心する役者っているじゃないですか。
_  
その世界観に調和しているというか、ちゃんと世界の中の人としていてくれると物凄くなじむというか、安心しますよね。
蜜  
演出家に、舞台を任せられる役者になりたいんですね。舞台の広さを、自分の支配下に置きたいというか。出てきた瞬間に、舞台上を把握してしまうというか。
_  
安心しますよね。
THE RABBIT GANG TROUPE
京都を中心に活動する劇団。
ナツメクニオ氏
SHOWDOWNの作家・演出家・俳優。
少年
少年は、2003年度に京都大学劇団ケッペキを卒団した松本健吾(以下少年A)と延命聡子(以下少・F・年)を中心として、京都を拠点に活動する演劇サークル。(公式サイトより)
神戸アートビレッジセンターKAVC
神戸市兵庫区新開地。演劇・美術・映像・音楽などにかかわるさまざまなアーティストたちの制作・練習・発表の場(公式サイトより)。
河瀬氏
劇団ZTON代表。作家・演出家・俳優。

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劇団ZTON vol.9「天狼ノ星」

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今日はどうぞ、よろしくお願いします。土肥さんは最近、どんな感じでしょうか。
土肥 
よろしくお願いします!最近はZTONの「天狼ノ星」の稽古ですね!
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大変ですね。2作品あるんですよね。二つとも、別の作品。
土肥 
続けて見ると二つともリンクしてるんですけど、違うものを2本。覚える量も2本ですね。それに今回は、いつもとちょっと違うやり方で演技を作っているんです。
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というと。
土肥 
最近ZTONでは「エンタメストライクシリーズ」がメインだったので、なんて言うか、行間にある情緒的な部分を省いて、見せ方をより追求していたんです。でも今回は久しぶりのvol.シリーズ作品という事で、もう少し人を見せようやないか、という事で演技の見直しをしているんです。「ああー、自分サボってたな」という所に気付く事が多いですね。
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なるほど。
土肥 
例えば僕とかめっちゃいい加減で、他人の台詞の時はぼーっと突っ立ってたり(笑う)。そうじゃなく、ちゃんと聞こうやと。
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すばらしい。
劇団ZTON
2006年11月立命館大学在学中の河瀬仁誌を中心に結成。和を主軸としたエンターテイメント性の高い作品を展開し、殺陣・ダンスなどのエネルギッシュな身体表現、歴史と現代を折衷させる斬新な発想と構成により独自の世界観を劇場に作りあげ、新たなスタイルの「活劇」を提供している。(公式サイトより)
劇団ZTON「天狼ノ星」
公演時期:2013/5/9~12。会場:京都府立文化芸術会館 。

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