暑い日

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今日はどうぞ、よろしくお願いいたします。山中麻里絵さんにお話をうかがいます。最近、山中さんはどんな感じでしょうか。
山中 
先週、ラビットハートプロジェクトが無事終わりまして、9月にステージタイガーさんの公演『ファイアフライ』 1があり、11月にはRTCプロジェクト 2さんの本番があるので、その稽古をしています。
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楽しみです。お忙しいんですね。
山中 
そうですね、ありがたいことに。
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頑張ってください。今日は暑いですね。夏と冬、どっちが好きですか?
山中 
難しいですけど冬ですかね。寒さの方が耐えられると思ってます。服を着ればいいので。夏はエアコンで喉を壊したり熱中症も怖いですから。
1ステージタイガー #010『ファイアフライ』

作・演出 虎本剛

【日時】
2019年9月
13日(金) 19:00~
14日(土) 14:00~
※ 全2ステージ
※ 開場は開演の45分前、受付開始は60分前 

【会場】
高槻現代劇場 中ホール

山中麻里絵さん専用予約フォーム


2RTC project 第2回公演「ブレイクワールド」
日時:
2019年
10/31(木)19時~(邂)
11/1(金)19時~(侵)
2(土)13時~ (侵)/18時~(邂)
3(日)12時~ (邂)/16時~(侵)
邂逅編…(邂)侵攻編…(侵)

会場:
一心寺シアター倶楽

料金:
一般 \3,500
当日 \3,800
両編通し \6,000
学割 \3,000
小学生 \2,000
劇団HP:
rtc-p.com

ご予約: http://ticket.corich.jp/apply/101690/030/

ラビットハートプロジェクト「THE20回転の恋」 3

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ラビットハートプロジェクトの「THE20回転の恋」が終わりましたね。大変面白かったです。
山中 
ご来場ありがとうございます。すごく客席から見たい作品でした。舞台上でやっていると俯瞰では全く見えないんですよ、大人数で作ってるから。演出助手の真壁さんやスペシャルアドバイザーの大江さんにビデオをたくさん撮ってもらって、それをみんなで見てここが合ってないとか揃ってないとか話して作っていきました。そうやって作ったものが劇場でどう見えるか、気になってましたね。
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一人だけ乱れるとそこだけ目立ってしまうとかありますもんね。
山中 
あっている人達よりも、ずれている人の方が気になるから、ここから修正していこうという形で練習していました。
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集団が有利でもあり足かせでもあった。劇団子供鉅人のアンサンブルの演出でも、一切手加減をせずに本気でやれという指示があるそうですよ。
山中 
難しいんですけど、20人もいたら一緒に揃うことはないんですよね。それぞれ癖とかが少しずつ違うので。今回の作品に関して言えば、整頓されているものをあえてずらすというのはリスクがあったんです。まずは揃えて成立することを第一にして、でもそこに個性も何となく見えてくる、そういう按配が面白い作品だったんじゃないかなと思います。
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一人一人全員衣装はほぼ同じでしたね。眼鏡もそうだったし。でも髪型はマチマチでした。
山中 
スカート丈も一緒にしていました。なのに、人によって見え方が違うのが面白いと、衣装の植田さんがおっしゃってました。
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同じ人を演じているのに、それぞれの個性が確実にあったんですね。一人二役ならぬ、二十人一役。さすがにそれは見たことがないですね。しかもタイミングや突発的な事情によってちょっとずつ演技の出来って違う。「THE20回転の恋」は、出演者が非常に多かったのにも関わらず、破綻が目立たなかった。ということは逆に言うと、任意の数シーンを例に挙げて、それが何を基準に舞台上の出演者揃えていたのかを考えていくと、作品の実在がどこにあるのかを示すヒントになるんじゃないかと思うんですね。
3ラビットハートプロジェクト「THE20 回転の恋」
脚本・演出:片岡百萬両
出演:浅田ゆりえ、Anne、おがわひろと、稲田紗恵、飯伏裕理、かいよっくん、川野楓、神山花帆、澤奈津樹、世良和恵、玉井優樹、難波遥、野村梨絵、平川光江、藤田七海、南愛美、三波よしこ、村井友美、山中麻里絵、山野真奈美、山本ドリル、結木愛、吉岡莉来、和田遥奈
公演時期:2019/7/26~28
会場:in→dependent theatre 2nd

頭も体も使う稽古

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まず、稽古はどんな感じでしたか。
山中 
本当にもう何度も同じシーンを繰り返して繰り返して・・・でした。例えば台風のシーンは、ほとんど全ての稽古で練習していました。本番期間でも、「一回台風やらしてください!」って、スタッフさんに頼んで稽古をしました。指示されてとかではなく私達の方から。めっちゃ大変で、形になるまでが時間がかかりました。片岡さんが面白いものを突き詰めるタイプの方で、面白いアイデアを次々と出してくださるんですが、ようやく自分の体に染み付いてきたものの上に新しい事が来て混乱しましたね。てんやわんやでした。
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大変でしたね。
山中 
頭も体も使うみたいな稽古場でした。
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沢山人がいると、舞台上の地方によってタイミングが違っていたりするんでしょうね。
山中 
そういうこともありました。大変でしたね。
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これまでの経験が生きたりはしましたか。
山中 
伊藤えん魔さんの作品では音キッカケが多かったので、それが少し。あと私が所属していた頃の劇団しようよでは群唱で一つのシーンを作るのも少しやっていたので、雰囲気はちょっと分かっていたかなという感じです。
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20人もいれば自分の演技だけに集中できるというわけではないですよね。かなり他の人たちの演技も覚えていかないと。
山中 
そうですね。一人でできる部分はほぼゼロでした。私だけではなくてどの人も。だから自主練できないという。

こころのクラスタ

山中 
内容面はいかがでしたか。
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心の中で別の自分と話すというのは実は割とやってるほうだと思うんですけど、男子にして四人というのは多いのかなと。
山中 
多いんですか!? やっぱり男性の方がそういうの少ないんですかね。
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女性は多いんですか?
山中 
女性が皆そうかはちょっとわからないですけど、私は出来ますし、してますね。色々な場面での自分、仕事している時の自分や友達といる時の自分、家族といるときの自分とか、それらの自分に切り替えるというのが自然と行われてる気がします。「THE20回転の恋」では、現実パートをやる栞と、頭の中のパートをやる栞ははっきりと分かれていて。例えば8番の栞は照と一回も喋ったことがない、とか。
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そうなんですね。
山中 
2ヶ月稽古をしてきた私たちからすると、内なる栞との切り替えは女子の中では既に行われてるんじゃないかと。私がいた17~20番の四人はそんなに台詞は多くなかったんですけど、内なる栞が出てきた時には必ずそばにいて何かしているんです。もしかしたら、私たちは「幼い栞」なのではないかと。「お家の中でゴロゴロしよう」と言っている栞と一緒にゴロゴロしたり、風邪を引いて一緒にカタカタする。言ってみれば甘えなんですよね、成長してこなかった部分がこの四人なんじゃない?と。「メガネの方が似合ってましたよ」と言われた時に私たち幼い栞が出てきて壁になったのは、他の栞たちは打たれ弱いから。幼いが故に強さがある。それがどこまで意図通りかわからないですけど、私たちはそう考えていました。
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確かに、心の流れと言う可視化しにくいものを役者で表現するのは有効で面白い試みだったと思います。一人の中にある様々な自分を複数の役者で表現するという、とても斬新な作品でしたね。

京造での思い出

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京都造形芸術大学に入学されたのはどのような理由があったのでしょうか。
山中 
映画が好きで映画学科に入りました。家族が映画好きで。高校で進路をいろいろ考えた時に、あれもこれもやりたい!ってなったんですけど、もし役者になったら全部できるんじゃないかと思って。
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色々な人生をなぞることができるから。
山中 
オープンキャンパスで一番面白そうだと思ったので、京都造形芸術大学の映画学科に入りました。
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印象に残った授業はありますか。
山中 
いっぱいあります。そこで色々な事を学びましたし、これが今の私の力になっていると感じることがとても多いので。実技も楽しかったんですけど、座学も楽しかったです。映像だけじゃなくて舞台の方の授業も取っていて、3年の時は舞台の授業ばっかり取っていて、卒業制作はどんな舞台を作るんですかと聞かれて「私映画学科やねん」って言ったらみんなにびっくりされるぐらい入り浸っていました。
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溶け込みましたね。
山中 
最初は伊藤キムさんの授業に興味があって、そこから舞台の座学も取っていたりしたらいついちゃって。映画学科の方での思い出と言えば1年生の時に北白川派の「カミハテ商店」に参加したことです。少ししか登場しないんですけど、子供を連れて自殺する若い母親の役でした。
__ 
どんなお話だったんですか。
山中 
自殺の名所でパンと牛乳だけを売っている商店があって。その店主を高橋惠子さんが演じられてて、そこに訪れる客は自殺に向かう人だけで、でも止めないんですね。ある日子供が一人で来て。母親が子供を置いて自殺しようとしてたので、さすがに警察を呼んだんですね。でも後日、母親が子供と一緒にビルから飛び降りたと聞いてしまう。止めてしまったから子供も死なせてしまったという葛藤がある。私は、そのきっかけになる役でした。
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いい役だったんですね。
山中 
役に入り過ぎて、出演前日私の様子がおかしかったみたいで。本当に自殺するんじゃないかと思われてたらしく、先輩たちは声をかけられなかったそうで。その後元気になって戻ってきたらホンマに良かったって言われて。ほとんど映像作品一本目だったので、ちゃんとやらないとと思いつめ過ぎました。当時は迷惑をかけたなと、反省してます。

フィリング論

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どんな俳優像がご自身の理想ですか?
山中 
一つの事に特化していないバイプレイヤーですね。言ってみればカメレオン俳優みたいな。
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どんな環境でも入る事が出来て、そこで成果を出すことができる人。成果を出すということはつまり、求められるものが何かということを把握して柔軟に実行できる人。
山中 
極端に言ったら顔が覚えられないぐらい作品に溶け込んでしまえる人、あの役とこの役が同じ人なんて信じられない、ぐらいの。でもその作品での役割はしっかりこなして、印象も残る。そんなかっこいい役者になりたいですね。
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ケーキで言うフィリングの部分かもしれませんね。そう考えると「THE20回転の恋」は、みんなが個であり、そしてフィリングでもあった。
山中 
フィリングがしっかりしていないとたちどころに崩れてしまうケーキだったなと思います。すごく大事だったんじゃないかな。練習がすごく大事だったなと。
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表情をそろえないといけないですもんね。
山中 
同じ方向を向いていないといけないし、技術的な面でも障害がたくさんあって、全く同じには絶対できないから、じゃあどうしたら同じに見えるかみたいなことをすごく意識して練習していました。

質問 図書菅さんから 山中 麻里絵さんへ

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前回インタビューさせていただいた劇団ZTONの図書菅さんから質問をいただいてきております。「右手と左手ならどっちが好きですか」。
山中 
(吹く)それはどういう質問なんですか?
__ 
図書菅さんは右の方が好きらしいです。左を選んで怪我をしがちだから右の方が好きみたいな。
山中 
私は多分左ですね。右は便利で使う手だからすごく大事なんですけど、だからこそシンプルでいたい。だから装飾は左手に付けています。仕事柄もあるので。結果的にきれいになるのが左手です。
__ 
右手は頼りにしていて、左手はそのまま美人になってくれみたいな。
山中 
そうです。

メイクとそれぞれの反応

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最近山中さんがtwitterでやっている #露出になれようキャンペーン 、いいと思います。
山中 
ありがとうございます。ちょっとSNSをする時間がなくて、疎かになってしまいがちなんですが。
__ 
山中さんの写真、好きですよ。個人的にはナチュラルメイク系が好きです。
山中 
ありがとうございます。意外と好評です。今バチバチのメイクはそこまで主流ではないですし。ただTPOと言うか、ユニバに行ったりする時は気合の入ったメイクをするので。服装に合ったメイクというのも必要なんですね。
__ 
シチュエーションにあったメイクのほうがいいんですね。
山中 
メイクが上手くいった投稿は、女の子の方から「やり方を教えてください」という反応が来ますね。シンプルなメイクだと、男性から好印象な反応をいただけることが多いです。
__ 
そもそもなぜ始めることにしたんでしょうか。
山中 
大阪で演劇をやるようになって、京都の演劇とやっぱりちょっと色々違うことが分かったんですね。京都の演劇は作品を重要視するんですが、大阪では誰が出るとかビジュアルがすごく重要視されていて。で、伊藤えん魔さんの作品に出た時に「お前はもっと人に見られる事をしなさい、前に出ないといけないのが役者なのに全然控えめだ」と言われて。そもそもは私、人前に出たり撮影されたりというのが苦手だったんですよ。
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そうなんですか!
山中 
メイクとかも全然興味がなくて。でも舞台に立っている以上はそこにいる責任があるな、と。見られるのに耐え得る「商品」である必要があると思って、メイクや立ち振舞いの勉強を始めました。自撮りの技術をアップして、Instagramを始めて。最近では認めてくれる人も増えたなという実感も出てきました。そうやって演劇に興味を持ってくれたり私個人に興味を持ってくれたりという人が増えてくれて、嬉しいです。今の時代、そういう風にSNSに自分の写真をアップするというのがそんなに変わったことじゃないですしね。

これから

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今後、どんな意気込みでいかれますか。
山中 
今を楽しむということを一番に生きていきたいですね。今後も変わらず。

拡大鏡

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今日はお話を伺いたお礼にプレゼントを持って参りました。
山中 
ありがとうございます。(開ける)おお。今喋った内容にちょうど合いそうな。拡大鏡ね!持ってなかったので逆に丁度いいです。
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5倍になるそうです。
山中 
すごい。めっちゃでかい。
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最前列のお客さんには細かいところまで見えるので、もしかしたら有効なんじゃないかと。
山中 
顔にラインを引いたりすることもあるので、そういう時に使おうと思います。
(インタビュー終了)